通信制高校の履歴書はこう書く!就職・進学に活かす学歴記入のポイント

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通信制高校の基本

通信制高校を卒業した人が就職活動や進学を考えた時、「履歴書にはどう書けばいいの?」「不利にならない?」と不安を抱えることも少なくありません。この記事では、通信制高校の履歴書の正しい書き方と、面接での対応方法について、事例を交えてわかりやすく解説します。

通信制高校は立派な“高卒”|学歴欄にどう影響する?

通信制高校を卒業した人が、履歴書の学歴欄を記入するときに「通信制って書いたほうがいいの?」「不利にならない?」と不安を感じるのはよくあることです。実際、全日制高校と通信制高校とでは、日々の過ごし方や授業形態が大きく異なるため、違いがあるように思えてしまいます。しかし結論から言えば、通信制高校を卒業した人も、正式には「高卒」資格を持つ立派な学歴として認められています

この記事では、通信制高校卒業が履歴書の学歴欄にどう影響するのか、書き方の基本とあわせて、誤解されがちなポイントを詳しく解説します。


■通信制高校卒業は「高卒資格」|正式な制度に基づく学歴です

まず押さえておきたいのは、「通信制高校=高等学校通信制課程を卒業した人」であり、日本の高等学校卒業資格(いわゆる“高卒”)と全く同じ国家資格だという点です。

実際、文部科学省が発行している公式資料でも、通信制課程・定時制課程・全日制課程はすべて同等の高卒資格として扱われています。卒業証書にも「通信制課程」などの記載はなく、単に「高等学校卒業」と表記されることが一般的です。

🔗 参考:文部科学省「高等学校通信教育の現状について」

よって、「通信制高校を卒業した」と履歴書に記載することにためらいを感じる必要はありません。あなたが卒業した学校が文科省の認可を受けた「高等学校」である限り、堂々と「高等学校卒業」と記入することができます。


■履歴書の学歴欄ではどう書けばいいのか?

通信制高校を卒業した人が履歴書を書く場合、基本的には「○○高等学校 普通科 卒業」などと記載すれば問題ありません。企業や大学の多くは、最終学歴や資格を重視する傾向があり、「通信制だから」という理由だけでマイナス評価されることは基本的にありません。

ただし、採用担当者が履歴書を読むとき、学歴欄の記載に「通信制」と書かれていないことで、面接で驚かれることや、本人の口から事情説明を求められるケースもあります。そのため、特に高卒で就職を目指す場合には「通信制課程 普通科 卒業」と正直に書く方が良いという考え方もあります。

一方で、大学や専門学校を卒業している人が就職する場合には、採用担当者が最終学歴(=大学・専門学校)に関心を持つため、高校時代の詳細まで記載する必要はないことが一般的です。この場合は「○○高等学校 普通科 卒業」とだけ書いても問題ありません。


■通信制だから就職で不利?実際の評価ポイントとは

通信制高校を卒業したことを、過剰に気にしてしまう人がいますが、実際のところ通信制高校を卒業したという理由だけで不採用になるケースは非常に稀です。採用側が見ているのは「通信制か全日制か」ではなく、その人の意欲・スキル・人柄・経験などです。

実際に、以下のような前向きな理由で通信制高校を選んだ人も少なくありません。

  • アルバイトと両立するために時間の自由度を重視した

  • 芸能活動やスポーツ活動を優先するために通信制を選択した

  • 不登校経験を経て、自分に合った学習環境を求めて通信制に転校した

こうした理由を面接でしっかり伝えることで、「自分で選択して前に進んできた人」「計画性を持った人」という評価につながることもあります。


■履歴書に通信制と書かないと「詐称」になるのか?

結論として、履歴書に「通信制」と書かなくても学歴詐称にはなりません。「○○高等学校 卒業」と記載されていれば、制度上は問題なく高卒であると認められます

ただし、採用側が後から通信制であることを知った際、「なぜ最初から書かなかったのか?」と不信感を持たれるリスクはゼロではありません。特に職歴が少なく、高校生活が面接の大きなテーマになるような新卒や既卒の就職活動では、あえて通信制であることを正直に記載しておく方が信頼を得やすいといえるでしょう。

履歴書での記入例|通信制高校はこう書けばOK!

通信制高校を卒業した際、履歴書の学歴欄にどう書けば良いのか――これは多くの人が悩むポイントです。特に「通信制」と明記すべきか、あるいは「普通科」とだけ書くべきか、ケースによって最適な書き方が異なります。この章では、就職・進学の目的別に具体的な記載例を紹介し、実務的に失敗しない履歴書の書き方を徹底解説します。


■高卒で就職する場合:通信制課程を明記するのがベター

高卒での就職活動を行う場合、採用担当者は学歴欄に記載された高校生活に注目する傾向があります。面接でも「高校時代はどんなことをしていましたか?」と聞かれることが多いため、「通信制課程普通科」などと明記しておくのが親切であり、信頼を得るポイントになります。

記入例(中学校卒業から記載):

2018年3月 ○○市立△△中学校 卒業
2018年4月 私立□□高等学校 通信制課程 普通科 入学
2021年3月 私立□□高等学校 通信制課程 普通科 卒業

このように、通信制課程であることをしっかり明記しておけば、面接官からの「なぜ通信制だったのか?」という質問にも自然に答える流れが作れます。


■専門学校・大学を卒業して就職する場合:「通信制」の記載は任意

一方で、専門学校や大学を卒業してからの就職活動では、最終学歴が採用判断の主軸となります。このため、高校時代が通信制であったかどうかは、それほど大きな関心を持たれません。

このようなケースでは、無理に「通信制課程」と書かず、「普通科」だけ記載するのが実務的な判断となります。万が一面接で聞かれた場合には、口頭でしっかり説明できれば問題ありません。

記入例:

2016年3月 私立□□高等学校 普通科 卒業
2016年4月 △△大学 経済学部 経済学科 入学
2020年3月 △△大学 経済学部 経済学科 卒業

「通信制」を記載しないことで学歴詐称になることはありません。大切なのは、事実を偽らないこと。そして質問された際に正直に答える姿勢です。


■転入学・編入学のケース:経歴は正確に

通信制高校に転校した、あるいは中途退学後に編入した場合は、その経歴をしっかり記載しておく必要があります。経歴に空白期間があると、面接で「なぜブランクがあるのか?」と不信感を持たれる可能性があるからです。

転入学の記入例:

2018年4月 ○○県立第一高等学校 入学
2019年8月 私立□□高等学校 通信制課程 転入学
2021年3月 私立□□高等学校 通信制課程 卒業

編入学の記入例:

2018年4月 ○○県立第一高等学校 入学
2019年6月 ○○県立第一高等学校 中途退学
2020年4月 私立□□高等学校 通信制課程 編入学
2022年3月 私立□□高等学校 通信制課程 卒業

転入学では「転入学」と明記、編入学では「中途退学」の年月も記載するのが基本です。ここを曖昧にすると、経歴の整合性に疑問を持たれる可能性があります。


■学歴は「事実」を丁寧に記載するのが最大の信頼獲得法

履歴書の学歴欄は、自分の学習の歩みを正直に伝える場所です。通信制高校であったとしても、それを正しく・丁寧に記載することが、採用担当者からの信頼を得る第一歩になります。

通信制高校の卒業は、特殊な学歴ではありません。今や多様な背景を持つ人たちが通う教育の選択肢の一つです。履歴書に記載することをためらわず、自信を持って書きましょう。


転入・編入の場合の注意点|途中経歴も正しく記載

通信制高校に通っている方の中には、「もともとは別の高校に通っていた」「一度高校を辞めてから再び入り直した」という人も少なくありません。こうしたケースでは、履歴書の学歴欄にどのように経歴を記載するかが重要になります。特に転入学と編入学では記載方法が異なり、注意しないと経歴に不自然な空白が生まれてしまう可能性があります

この記事では、「転入学」と「編入学」の違いを踏まえながら、それぞれの履歴書の正しい書き方や記入例を詳しく解説します。履歴書にウソを書かず、かつ印象を良くするためのポイントも一緒に紹介していきます。


■転入学と編入学の違いを理解しよう

まずは基本的な定義の違いを押さえておきましょう。

用語 意味 状況の例
転入学 在籍中の高校を辞めずに、別の高校にそのまま移ること 在学中に全日制高校から通信制高校に転校する
編入学 一度高校を退学してから、別の高校に入り直すこと 1年次に高校を辞めて、1年後に通信制高校に再入学

転入学は「転校」、編入学は「入り直し」と考えると分かりやすいです。履歴書では、この違いを明確に書き分ける必要があります。


■転入学の履歴書記入例|退学歴は不要

転入学の場合、以前の高校を中途退学したわけではありません。したがって、「中退」という表記は不要です。履歴書では「入学 → 転入学 → 卒業」という流れで記載します。

【例】千葉県立△△高校(全日制)から○○通信制高校に転校した場合

2019年4月 千葉県立△△高等学校 入学
2021年8月 ○○高等学校 通信制課程 転入学
2022年3月 ○○高等学校 通信制課程 卒業

ポイント:

  • 転入の年月がはっきりわかるように書くこと。

  • 「転入学」の文言は必ず入れる。

  • 退学とは異なるため「中途退学」は記載しない。


■編入学の履歴書記入例|中退を明記するのがルール

一方、編入学の場合は、一度在籍していた高校を中途退学しているため、その事実を履歴書に明記する必要があります。中退の年月を隠すと「経歴詐称」と見なされる恐れがありますので、必ず「中途退学」と記載し、編入の年月を明記するのが基本です

【例】△△高校を中退後、1年後に○○通信制高校に編入した場合

2018年4月 千葉県立△△高等学校 入学
2019年6月 千葉県立△△高等学校 中途退学
2020年4月 私立○○高等学校 通信制課程 編入学
2022年3月 私立○○高等学校 通信制課程 卒業

ポイント:

  • 「中途退学」の年月日を明確に書くこと。

  • 中退から再入学までの空白がある場合でも、ウソは書かない。

  • 転入学と違い、学び直しの意味合いがあるため「編入学」と表記。


■中退・再入学の空白期間がある場合はどうする?

たとえば、高校を辞めたあとしばらく空白の期間があり、その後に通信制高校に入り直した場合、履歴書の学歴欄に「空白」ができることになります。このような場合も、空白を隠す必要はありませんが、面接で必ず質問される可能性があるため、あらかじめ理由を準備しておくことが大切です。

面接で使える前向きな説明例:

  • 「体調を崩し、一度学業を中断しましたが、再び学びたい気持ちが強くなり通信制高校に入学しました」

  • 「自分に合った学び方を見つけるために一度退学し、その後通信制高校を選びました」

  • 「アルバイトや資格取得に集中する時間を作るために、再入学まで期間が空きました」

こうした説明ができれば、むしろ自己理解と再挑戦の姿勢が評価されることもあります。


■正直に、でも戦略的に履歴書を作る

転入学・編入学の経歴があると、「ちゃんと書いたほうがいいの?」「不利になるのでは?」と心配する人も多いでしょう。ですが、採用側が重要視しているのは経歴そのものではなく、そこから何を学び、どう行動してきたかです。

ウソや隠しごとは逆に信頼を失う原因になりますが、正確に書いたうえで、前向きな理由や今後の意欲を語れる人材は、どんな企業からも評価されやすくなります。

通信制高校は就職で不利?面接での説明ポイント

「通信制高校を卒業したら就職に不利になるのでは?」と心配している人は少なくありません。全日制と比べて学習スタイルが異なるため、企業からの印象や採用評価に差が出るのではないかという不安はもっともです。しかし、結論から言えば通信制高校の卒業自体が就職に不利になることはありません

この見出しでは、企業側の視点や実際の面接での対応方法を踏まえて、通信制高校卒業を強みに変える面接での伝え方や準備ポイントを解説します。


■企業は「通信制=不利」と見ていない

まず大前提として、現在の採用現場において「通信制高校卒業だから不採用」というケースはほとんどありません。なぜなら、企業が採用で本当に重視しているのは以下のようなポイントだからです。

  • 人柄(協調性・誠実さ・清潔感)

  • 仕事への意欲

  • コミュニケーション力

  • 継続力や自己管理能力

これらは学歴の形式とは無関係な要素であり、面接での受け答えや、これまでの経験から判断されるものです。特に中小企業や人手不足の業界では、「通信制だったかどうか」よりも「職場に合いそうな人か」「まじめに働いてくれそうか」といった観点が重視されます。


■通信制高校を選んだ理由は必ず聞かれる

とはいえ、履歴書に「通信制課程」と記載されている場合、面接でその理由を聞かれる可能性は高いです。企業側も「なぜ全日制ではなく通信制を選んだのか?」という点に興味を持つからです。

このとき、前向きかつ具体的な理由を伝えられるかがカギになります

よくある質問と答え方の例:

  • Q:「どうして通信制高校を選んだのですか?」

    • A:「自分のペースで学びながら、資格取得やアルバイト経験に時間を充てたいと考えたからです」

  • Q:「通信制ではクラスメートと関わる機会が少なかったのでは?」

    • A:「確かに集団生活は少なめでしたが、そのぶん自律的に課題に取り組み、責任感を持って行動する習慣が身につきました」

面接で大切なのは、「通信制だった過去」を隠すことではなく、通信制で学んだこと・得た経験をどう社会に活かすかを語ることです。


■通信制高校ならではの強みとは?

通信制高校には、全日制とは異なる学び方や生活スタイルがあります。その分、自分を律する力や柔軟な対応力、工夫して学ぶ姿勢などが求められます。

こうした経験を振り返り、次のような“強み”として伝えると面接でも印象に残りやすくなります。

通信制で得た経験 面接でのアピールポイント
レポート学習の継続 自己管理能力・計画性
アルバイトとの両立 責任感・社会性
自宅学習中心 自立心・モチベーション維持力
不登校経験の克服 忍耐力・精神的回復力

たとえば、「高校時代、週に○本のレポートを提出していたため、自己管理スキルが自然と身につきました」というように、具体的なエピソードを添えることで説得力が増します。


■「不登校→通信制」の場合も、隠さず前向きに

通信制高校に通う理由の中には、「不登校だった」「学校生活に馴染めなかった」という背景を持つ人も多いです。こうした過去をどう伝えるべきか悩む人もいるでしょう。

この場合、“克服したこと”や“そこから得た気づき”を中心に伝えることが重要です。

例:

「中学校の後半は不登校でしたが、通信制高校に通う中で自分のペースで勉強を進める環境に助けられ、学ぶことへの意欲が戻りました。今では人と接する仕事にも挑戦したいと思っています」

「一時的に登校できなかった時期がありましたが、現在はアルバイトで接客もこなしています。以前よりも人と関わることに自信が持てるようになりました」

こうした誠実な説明は、むしろプラスに働くケースも多く、特に若年層の採用に積極的な企業では高く評価されることもあります。


■通信制高校卒業後の進路実績も安定傾向

文部科学省の調査によれば、通信制高校の卒業生のうち約20%が直接就職を選んでいます。この割合は全日制高校と大きくは変わりません。

🔗 文部科学省:高等学校通信教育の現状

さらに、最近では進学・就職の選択肢として通信制高校を選ぶ人が増加しており、企業の理解も年々広がっています。特に柔軟な学び方を認める企業や、IT系・サービス業界などでは、通信制高校出身者の採用実績も増えています。


■まとめ:「通信制=マイナス」という時代は終わり

通信制高校を卒業したからといって、就職活動で不利になることはありません。むしろ、自分の学び方を選び取り、自分で責任を持って行動した経験は、他の応募者との差別化ポイントになります。

大切なのは、通信制だったことを隠すのではなく、「その環境でどう成長したか」「そこから何を学んだか」を堂々と語ることです。

あなたの履歴と経験には、あなただけの価値があります。通信制高校の卒業を自信に変えて、前向きな就職活動を進めましょう。

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