「通信制高校=不登校の人の学校」という誤解を解く
通信制高校と聞いて、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。多くの人は「不登校や引きこもりの人が行く学校」「全日制に通えない人が行くところ」という先入観を抱いているかもしれません。確かに、通信制高校には不登校を経験した人も一定数います。しかし、そのイメージだけで語るのは、通信制高校の本質を見誤っていると言えるでしょう。
実際、文部科学省の資料によると、2023年度時点で通信制高校に通う生徒数は約26.5万人にのぼり、高校生全体の12人に1人が通信制高校に在籍している計算になります(※出典:文部科学省 高等学校通信教育の現状)。これは、かつての「特殊な学校」という立場から、今や「選ばれる学校」に変わりつつあることを示しています。
通信制高校が選ばれる背景
近年、通信制高校は「不登校の受け皿」ではなく、「ライフスタイルに合わせて学べる柔軟な学校」として注目されています。その理由は以下の通りです。
1. 時間の自由度が高い
通信制高校は、通学日数や学習ペースを自分で決められるのが特徴です。全日制高校のように平日毎日通う必要はなく、週1日や月数回の登校、さらにはほぼ自宅学習で卒業を目指すことも可能です。この柔軟性が、芸能活動やスポーツに打ち込みたい人、アルバイトや起業をしている人に支持されています。
2. 多様な学びができる
従来の普通科だけでなく、通信制高校には専門的なコースも数多くあります。例えば、美容・ネイル・IT・デザイン・eスポーツ・声優など、全日制ではなかなか学べない分野に特化した学校も増えています。このため「自分の夢に向かって必要なスキルを身につけたい」というポジティブな理由で進学する人が増えています。
3. 年齢や背景が多様
通信制高校には、10代の高校生はもちろん、20代・30代の社会人や子育て中の方、定年後に学び直したいシニアまで在籍しています。中には、70歳を超えて学ぶ方もいます。これは、年齢や状況を問わず学べる環境が整っているからです。
不登校の人もいるが「それだけではない」
もちろん、通信制高校に不登校を経験した人が多いのは事実です。中学時代に学校に馴染めなかった、いじめや家庭の事情で通えなかった、心身の不調で登校が難しかった、という理由で入学するケースも少なくありません。
しかし、統計的には不登校以外の理由で入学する人のほうが多いと言われています。たとえば次のようなケースです:
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夢に専念したい(スポーツ、芸能、アート)
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海外留学の準備をしたい
-
高卒資格を取りながら働きたい
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自分のペースでじっくり学びたい
-
他の学校での人間関係が合わなかったので環境を変えたい
このように、通信制高校は単なる「逃げ場」ではなく、むしろ前向きに未来を切り開くための手段として選ばれることが増えています。
「不登校だったから恥ずかしい」という気持ちは不要
不登校経験がある人も、ない人も、通信制高校に入学する時点でスタートラインは同じです。不登校経験が悪いこと、恥ずかしいことという時代ではありません。
厚生労働省も、多様な学びの場やリカバリーのチャンスを社会が提供する重要性を強調しています(※出典:厚生労働省 不登校支援と多様な学び)。
不登校を経験したからこそ、自分の心や体を大事にして、自分に合った環境を選べる強さがあるのです。
一方で、不登校の経験がない人も、自由に学べる環境で自分らしく過ごせることが通信制高校の魅力です。不登校の有無にかかわらず、それぞれの目標やペースに寄り添ってくれるのが通信制高校なのです。
周囲の理解も深まっている
かつては「通信制高校に通っている=問題がある」という偏見がありましたが、最近は企業や大学の側も、多様な学びや経験を尊重する傾向にあります。どの高校に通ったかよりも、「どんな努力や経験をしてきたか」が重視される時代です。
通信制高校で得られるのは、学力だけではありません。自己管理能力、柔軟性、自律性、そして自分の人生を選択する力も育まれます。これらは社会で求められる重要な力です。
まとめ
通信制高校は、「不登校の人が仕方なく行く学校」ではありません。むしろ、自分の人生を自分でデザインしたい人、夢や目標を持って行動する人、自分に合った学び方を選びたい人のための学校です。
不登校の人も、不登校じゃない人も、自分に合った学びを選べる社会に変わりつつあります。大切なのは、「何を学びたいか」「どんな自分になりたいか」という気持ちです。
通信制高校という選択肢を、前向きに検討してみてください。
通信制高校に通うのはどんな人?不登校だけじゃない多様な生徒たち
通信制高校には、どんな生徒が通っているのでしょうか。
「不登校や引きこもりの人が多いのでは?」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実態はそれだけではありません。
現在の通信制高校は、年齢やライフスタイル、夢や目標、事情が異なる、多種多様な生徒に選ばれている学校です。
ここでは、具体的にどんな生徒が通っているのか、背景や理由を詳しく解説します。
通信制高校の生徒の年齢層と比率
まず、年齢層を見てみましょう。
文部科学省の「高等学校通信教育の現状について」(2023年)によると、通信制高校の在籍者の平均年齢は17歳程度です。
つまり、中学を卒業した直後に入学する15歳から18歳の生徒が中心です。
一方で、20代以上の社会人、子育て中の親世代、さらに定年後のシニアまで幅広い世代が在籍しているのも特徴です。
実際、70代や80代の高齢者が学び直しの場として通信制高校を選ぶケースもあります。
年齢や生活環境に関わらず、「高校卒業資格がほしい」「学び直したい」という気持ちがあれば、誰でも学べるのが通信制高校の強みです。
不登校経験者だけじゃない、多様な理由で通う生徒たち
では、通信制高校に通う生徒は、どのような理由でこの道を選んだのでしょうか。
ここでは、主な5つの背景を紹介します。
① 夢や目標に向けて時間を確保したい
近年、とくに増えているのがこのパターンです。
通信制高校は登校日数や学習ペースを自由に調整できるため、芸能活動・スポーツ・芸術などの専門分野に専念したい生徒に選ばれています。
例えば、プロスポーツ選手や芸能人を目指す中学生が、中学卒業後に全日制ではなく通信制を選び、練習やレッスンと両立するのが一般的になっています。
芸能活動やスポーツのために通信制高校を卒業した有名人も少なくありません。
夢に向かって努力するための「時間を生み出す学校」として、通信制高校は存在感を増しています。
② 自分のペースで学びたい
「毎日決まった時間に学校へ通うのがつらい」「早起きや長時間の授業が合わない」という理由から、通信制高校を選ぶ生徒もいます。
たとえ不登校の経験がなくても、自分に合った学び方を求める人にとって、通信制高校は魅力的です。
特に最近は、オンライン授業やレポート学習を中心に、自宅でじっくり学習するスタイルが人気です。
人と比べず、自分のペースで学べる環境がここにはあります。
③ 働きながら学びたい
通信制高校はもともと、社会人や夜間勤務者が学びやすいように設計された教育制度です。
そのため、現在も働きながら学ぶ人が多くいます。
中学卒業後に就職した人が、キャリアアップのために高卒資格を目指したり、子育てと両立したり、家計を支えながら学ぶケースもあります。
全日制や定時制では難しい、仕事と学業の両立を実現できるのが通信制高校です。
④ 人間関係をリセットしたい
全日制の学校での人間関係や環境が合わなかったため、新たな環境を求めて通信制高校に転入する人もいます。
「人と距離を置きたい」「自分に合うコミュニティを探したい」という理由から通信制を選び、落ち着いて学び直すケースです。
通信制高校は同じような背景を持つ生徒が多く、お互いに共感しやすく、安心して過ごしやすいという声もあります。
⑤ 大人になってから学び直したい
一度高校を辞めた人や、高卒資格を持たないまま社会に出た人が、改めて学び直す場として通信制高校を選ぶケースもあります。
「進学や転職のために高卒資格が必要」「人生の節目でやり残しを取り戻したい」という前向きな理由です。
年齢制限がないため、何歳からでも挑戦できるのが通信制高校の魅力です。
実際の声:多様な理由で選ばれている
通信制高校の生徒たちからは、以下のような声が寄せられています。
「全日制だと夢を追えなかったけど、通信制だから芸能活動も勉強も両立できています。」
「周りのペースについていけずに悩んでいましたが、自分のペースで学べて心が楽になりました。」
「一度は高校をやめたけど、やっぱり高卒資格が必要だと思い、社会人になってから通信制に入り直しました。」
このように、通信制高校に通う生徒は本当にさまざまです。
不登校経験者もいますが、あくまで一つの背景に過ぎず、多様な選択肢の一つとして通信制高校が機能しているのです。
学校によって雰囲気も違う
ただし、すべての通信制高校が同じ雰囲気というわけではありません。
学校ごとに校風や生徒層は異なります。
学費が高めの私立校では、比較的「普通の高校生」に近い雰囲気の学校も多く、進学やキャリア支援が充実しているところもあります。
一方で、公立通信制高校は学費が安い代わりに、自主性が求められる環境だったり、支援体制が薄い場合もあります。
どんな生徒が集まり、どのようなサポートがあるかは学校ごとに違うので、見学や説明会に参加して雰囲気を確かめることが大切です。
まとめ
通信制高校に通うのは、不登校や引きこもりを経験した人だけではありません。
夢や目標のために時間を確保したい人、働きながら高卒資格を目指す人、自分のペースで学びたい人、人間関係をリセットしたい人など、さまざまな理由で選ばれています。
多様な背景を持つ人々が、それぞれの目標に向かって学ぶ場所。それが通信制高校です。
不登校じゃない人も、堂々と通信制高校を選び、自分らしい未来を切り拓いていきましょう。
通信制高校ならではのメリット|不登校じゃない人にも価値がある理由
通信制高校は「不登校だったから行く学校」という先入観を持たれがちですが、実は不登校ではない人にも多くのメリットがあります。
むしろ、将来の夢や目標を持ち、自由な時間を最大限活用したい人にこそ、通信制高校は向いていると言えるでしょう。
この章では、通信制高校ならではのメリットを詳しく解説し、「不登校じゃない人」にもおすすめできる理由を見ていきます。
① 自分のライフスタイルに合わせて学べる
通信制高校最大の特徴は、なんといってもその自由度です。
全日制高校では、平日毎日、決まった時間に学校へ通い、クラス全員と同じペースで学習します。
一方で通信制高校は、登校日数や学習スケジュールを自分で決めることができ、生活スタイルに合わせて勉強することが可能です。
例えば、以下のようなケースが現実的です。
-
芸能活動のレッスンが毎日あるので、週1回の登校コースを選ぶ
-
プロスポーツ選手を目指しているため、練習に集中できるようにほとんど自宅学習
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海外留学の準備を進めながらレポートや試験をこなす
このように、自分の夢や予定に合わせて「高校生活をカスタマイズできる」のが魅力です。
② 学びたいことが学べる
通信制高校では、従来の普通科だけでなく、専門性の高いコースが多数用意されています。
最近人気が高まっている分野としては以下のようなものがあります。
-
美容、ネイル、メイク
-
IT、プログラミング、デザイン
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声優、アニメーション、マンガ
-
eスポーツ
-
起業、ビジネススキル
こうした専門コースは、全日制高校ではなかなか学べません。
「高校卒業資格+αのスキルや知識を手に入れたい」という人にとって、通信制高校は非常に魅力的な選択肢です。
また、専門的な技術を学びながら資格が取れるカリキュラムも充実しているので、卒業後すぐに社会で活躍できる力を養うこともできます。
③ 先生や周囲の理解がある
通信制高校は、不登校経験者や発達障害のある生徒、家庭の事情を抱えた生徒など、さまざまな背景を持つ生徒が在籍しています。
そのため、学校全体が「多様性」を受け入れる文化になっており、先生やスタッフの理解も深いのが特徴です。
全日制では周囲の目が気になるような悩みも、通信制ではむしろ普通のこととして受け止めてもらえる環境があります。
厚生労働省も、多様な学びの場を提供することの重要性を強調しています(参考: 厚生労働省 不登校支援と多様な学び)。
そのため、「やりたいことがあるけど周りから浮きそうで不安」という人も、安心して学びやすい環境と言えます。
④ 自己管理能力が身につく
通信制高校は、自宅学習が中心になるため、計画を立ててレポート提出や試験勉強をする必要があります。
全日制に比べると先生に手取り足取り指導されるわけではなく、自分で考え、行動する力が求められます。
その分、自己管理能力や時間管理能力が鍛えられるのも大きなメリットです。
これは社会人になったときに必ず役立つスキルです。
全日制高校では「受け身の学び」になりがちですが、通信制高校は主体的に学ぶ姿勢が自然と身につきます。
⑤ 年齢や背景に関係なく学べる
通信制高校には、10代から高齢者まで幅広い年齢層の人が学んでいます。
生徒の背景もさまざまで、社会人、子育て中の親、引退後の学び直しなど、多種多様です。
こうした環境に身を置くことで、異なる価値観に触れ、視野が広がるのも通信制高校ならではのメリットです。
同じ目標を持つ仲間と出会ったり、異なる立場の人の話を聞けたりするのは、全日制にはない貴重な経験です。
通信制高校のメリットを生かすために
ただし、通信制高校のメリットを最大限活かすためには、いくつかポイントがあります。
● 自分で目標を持つ
通信制高校は自由度が高い反面、明確な目標がないとだらけてしまいがちです。
「卒業後は何をしたいか」「高校で何を学びたいか」を考えておくと良いでしょう。
● サポート体制を確認する
学校によっては、進学や就職のサポート、カウンセラーの配置状況が異なります。
入学前に見学したり、説明会に参加して確認することをおすすめします。
● コミュニケーションの機会をつくる
全日制に比べると友達ができにくい環境なので、イベントやスクーリング、サークル活動に積極的に参加することで、人間関係も築きやすくなります。
まとめ
通信制高校は「不登校だった人のための学校」というイメージがありますが、実際はそれだけではありません。
夢や目標を実現したい人、専門スキルを身につけたい人、自分のペースで学びたい人など、前向きな理由で選ばれることが増えています。
不登校じゃない人にとっても、自分らしい学び方ができる場として、大きな価値があります。
「自由度の高さ」「専門性」「理解ある環境」「自己管理力の向上」など、通信制高校のメリットを最大限活かして、自分だけの高校生活を築いてみてください。
公立・全日制高校との違いとデメリットも知っておこう
通信制高校には多くのメリットがありますが、一方で全日制高校や公立高校とは異なる特徴や、知っておくべきデメリットもあります。
通信制高校を前向きに選ぶためにも、「いい面」だけでなく「大変な面」も理解しておくことが大切です。
ここでは、通信制高校と公立全日制高校の主な違いと、通信制高校のデメリットについて詳しく解説します。
通信制高校と全日制高校の主な違い
まず、全日制高校と通信制高校の基本的な違いを整理してみましょう。
項目 | 全日制高校 | 通信制高校 |
---|---|---|
登校頻度 | 週5日毎日通学 | 週1回〜年数回 |
学習方法 | 授業中心、同じペースで進行 | レポート学習、自主学習中心 |
生活リズム | 学校が中心 | 自分で計画 |
カリキュラム | 高校が決めたカリキュラムに従う | 専門コースや選択肢が豊富 |
人間関係 | クラス全体で活動 | 個別活動が多く、交流は少なめ |
費用 | 公立なら安い | 私立は高額な場合も |
卒業資格 | 高校卒業資格 | 高校卒業資格 |
このように、全日制高校は「一斉教育」「規則正しい生活」が特徴ですが、通信制高校は「自由度の高さ」「個人に合わせた学習スタイル」が特徴です。
どちらが優れているかは人によります。大事なのは、自分に合うスタイルを見極めることです。
通信制高校のデメリット
通信制高校の特徴はメリットにもなりますが、状況によってはデメリットと感じる場合もあります。
以下に、代表的なデメリットを挙げてみます。
① 自己管理が難しい
通信制高校は、自主的にレポート提出や試験勉強を進める必要があります。
誰かに強制されることは少なく、自分のペースで学べる反面、計画性がないとレポート提出の遅れや単位不足につながる危険があります。
「やるべきことを後回しにしてしまう」「一人だとモチベーションが続かない」という人は、こまめにスケジュールを立てたり、家族や先生に相談するなどの工夫が必要です。
② 学力が伸びにくい場合もある
通信制高校の授業は、全日制と比べると簡単な内容になることが多いです。
また、進学向けのカリキュラムや指導が手薄な学校もあります。
大学進学を考えている場合は、予備校や塾に通ったり、自主的に受験勉強をする必要があります。
進学実績やサポート体制は学校によって異なるので、入学前にしっかり確認しておくと安心です。
③ 友達ができにくい
全日制高校のように毎日クラスメイトと過ごす機会が少ないため、自然と友達ができにくいと感じる人もいます。
しかし、これは逆に「人間関係に煩わされずに済む」というメリットでもあります。
学校によっては、イベントやサークル、交流の場が充実しているところもあるので、積極的に参加することで友達ができやすくなります。
④ 学費が高い場合がある
公立の通信制高校は非常に安価(年間数万円程度)ですが、私立通信制高校の場合は年間数十万円から百万円を超える場合もあります。
特に、専門的なコースやサポートが手厚い学校は学費が高くなる傾向があります。
世帯収入によっては「高等学校等就学支援金制度」(国の学費支援制度)を利用できるので、負担が心配な場合は事前に相談しておくと安心です。
参考:
文部科学省 高等学校等就学支援金制度
通信制高校に向いている人、向いていない人
以上の特徴から、通信制高校に向いている人・向いていない人の傾向をまとめると次のようになります。
向いている人
-
自分の目標や夢が明確な人
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自分で計画を立てて行動できる人
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人間関係のストレスを減らしたい人
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専門的なことを学びたい人
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自分のペースで学びたい人
向いていない人
-
強い管理やサポートがないと動けない人
-
毎日クラスメイトと交流したい人
-
学校行事やクラブ活動に積極的に参加したい人
学校選びで大切なポイント
通信制高校を検討する際は、学校選びがとても重要です。
次のポイントを確認しておくと、入学後の後悔を防げます。
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学費や奨学金制度
-
進学や就職のサポート体制
-
専門コースの有無
-
スクーリング(登校)の頻度
-
学校の雰囲気や生徒の層
-
カウンセラーや担任のサポート
実際に見学したり、説明会に参加したりして、雰囲気や先生の対応をチェックするのがおすすめです。
まとめ
通信制高校と公立全日制高校には、それぞれ特徴や良い面、難しい面があります。
通信制高校は自由度が高く、自分のペースで学びたい人や、夢や目標に向かって時間を使いたい人にとっては理想的な環境です。
一方で、自己管理が苦手な人や、毎日クラスメイトと過ごしたい人にとっては不向きな場合もあります。
通信制高校を選ぶ際は、メリットだけでなくデメリットも理解し、自分に合っているかどうかを考えることが大切です。
「どの学校に通うか」ではなく、「その学校で何を学び、どう成長するか」が大事なのです。
後悔のない進路選択ができるよう、ぜひしっかりと情報収集し、見学や相談を活用してみてください。
自分に合う学校を選ぶために|見学と相談が大切
通信制高校は、自由度が高く多様な生徒を受け入れてくれる一方で、学校ごとに雰囲気や特徴が大きく異なります。
そのため、自分に合った学校を選ぶためには、見学や相談を通してしっかり確認することが重要です。
ここでは、学校選びのポイントや見学・相談の際に確認したいことを詳しく解説します。
なぜ見学と相談が重要なのか
通信制高校は、表面的には「レポート中心の学習」「登校回数が少ない」など似たような特徴に見えます。
しかし、実際に通うと次のような違いがあることに気づくでしょう。
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生徒の雰囲気(前向きな生徒が多いのか、静かな生徒が多いのか)
-
先生やスタッフの対応(親身に相談に乗ってくれるのか)
-
カリキュラムの内容(専門コースや資格取得支援があるか)
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施設の設備(自習室やオンライン環境が整っているか)
-
サポート体制(進学・就職・メンタルサポートが充実しているか)
パンフレットや公式サイトの情報だけではわからない部分がたくさんあります。
だからこそ、実際に学校を訪問し、先生や生徒と直接話してみることが重要なのです。
見学や相談で確認したいポイント
通信制高校の見学や相談会に参加する際、特にチェックしておきたいポイントを以下にまとめました。
① 学校の雰囲気
見学したときに感じる学校全体の雰囲気は非常に大切です。
廊下や教室の空気感、生徒や先生の表情、挨拶の声などから、その学校が自分に合うかどうかを判断できます。
例えば、次のような視点で見てみましょう。
-
生徒がいきいきとしているか
-
教室や施設が清潔で整備されているか
-
スタッフや先生が親しみやすいか
② 先生やスタッフの対応
通信制高校では、自己管理が求められる場面が多いからこそ、困ったときに相談できる大人の存在は重要です。
カウンセラーが常駐しているか、進学・就職サポートは充実しているかなども確認してみましょう。
質問例:
-
学習計画が遅れた場合のフォローはありますか?
-
進学や就職の相談は誰が対応してくれますか?
-
メンタル面のサポートはどのようにしていますか?
③ カリキュラムや専門コース
学校によっては、普通科だけでなく専門的なコースが用意されているところもあります。
美容、IT、スポーツ、芸能など、自分の興味に合ったカリキュラムがあるか確認しましょう。
また、進学を目指す人は、受験対策や進学実績もチェックしておくと安心です。
④ 学費と支援制度
通信制高校の学費は、公立なら年間数万円程度、私立なら数十万〜百万円以上かかる場合があります。
さらに、専門コースを選ぶと追加料金が発生することもあります。
見学の際に、以下も確認しておくと良いでしょう。
-
入学金・授業料・その他の費用
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奨学金制度や高等学校等就学支援金制度の対象になるか
-
分納やローンの対応が可能か
⑤ スクーリング(登校)の頻度や場所
通信制高校は、年に数回のスクーリング(登校)が必要です。
スクーリングの頻度や場所が自分の生活圏に無理のない範囲かも確認しておきましょう。
「思っていたよりも登校が多く、通いづらかった」というケースもあるため、しっかり質問しておくと安心です。
見学のタイミングと申し込み方法
見学や相談は、思い立ったときに早めに行動するのが理想です。
通信制高校は、春・秋の入学シーズンだけでなく、年間を通して入学を受け付けている学校もあります。
申し込み方法は次のとおりです。
-
学校の公式サイトから見学予約
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電話で問い合わせ
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資料請求時に見学希望を伝える
オープンキャンパスや体験授業を開催している学校も多いので、積極的に参加しましょう。
見学の際に用意しておくと良いもの
見学をより有意義にするために、以下を用意しておくとスムーズです。
-
聞きたいことを書き出したメモ
-
通学にかかる交通費や所要時間を調べておく
-
自分の希望や不安を整理しておく
また、可能なら保護者と一緒に参加すると、学費の相談や進学後のサポートについても具体的な話ができ、安心感が高まります。
まとめ
通信制高校は、自分に合う学校を選ぶことが何よりも大切です。
「どこでも同じだろう」と思って選んでしまうと、入学後に後悔する可能性もあります。
学校選びのコツは、パンフレットや口コミだけに頼らず、必ず自分の目で見て、話を聞いて、雰囲気を感じ取ることです。
見学や相談を通じて、先生や生徒の様子、サポートの内容、学習環境を確認し、自分にぴったりの場所を見つけましょう。
学校選びは、自分の将来を左右する大切な一歩です。焦らず、じっくり検討し、安心して学べる環境を見つけてください。
通信制高校だからこそ可能な夢や目標をもって学習できる環境を探してみてください。
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