不登校から通信制高校へ進学する選択肢は年々増加しています。では、通信制高校を「なんとか卒業」した後、その先にはどのような未来があるのでしょうか?
この記事では、「不 登校 通信 制 高校 その後」という視点から、進路や就職、心理面の変化、周囲のサポートまで詳しく解説します。
不登校の中学生が高校受験に臨むとき、気になるのが「内申点」「欠席日数」「高校の種類」ではないでしょうか?
結論から言うと、不登校でも高校進学は十分可能です。この記事では、文部科学省の指針や各都道府県の制度をもとに、不登校でも高校進学を目指すための考え方や進路の選び方を詳しく解説します。
不登校から通信制高校へ進学した人の「その後」はどうなる?
「うちの子、このままずっと引きこもってしまうのでは…」
「通信制高校を卒業しても、その後どうやって社会に出ていくんだろう?」
不登校を経験し、通信制高校に進んだお子さんを持つご家庭から、よく聞かれる声です。確かに、不登校からの進学や卒業はひとつの“節目”であっても、その先の“未来”が見えにくいことは、大きな不安になりますよね。
しかし、結論から言えば――通信制高校卒業後の未来は、決して閉ざされていません。むしろ「自分のペースで成長できる」貴重な時間が、その後の道をつくることができるのです。
この章では、実際の調査データや保護者・経験者の声を交えながら、「不登校から通信制高校へ進学した人のその後」について具体的に解説していきます。
■ 文部科学省の追跡調査から見る「その後」
まず押さえておきたいのが、文部科学省が実施した「不登校に関する実態調査(2014年度)」です。これは、2006年度に中学3年で不登校だった生徒を対象に、その5年後(20歳前後)にどんな生活を送っているかを調査した貴重なデータです[1]。
調査によると――
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中学卒業後、高校などに進学した人:87%
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そのうち、高校卒業までたどり着いた人:67%
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卒業後、大学・専門学校進学者:約7割
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高校中退者:20% → うち約3割が高校に再入学し直している
このデータから見えてくるのは、「不登校だったからといって、その後もつまずき続けるわけではない」という現実です。むしろ、多くの人が通信制高校などを経由して、自分なりのペースで“社会との接点”を取り戻していることがわかります。
■ 通信制高校卒業=ゴールではないけれど、「希望のスタート」になり得る
通信制高校は「登校日が少ない」「自学自習が中心」という特徴から、過去に学校に通えなかった子どもにとっては大きな“再スタートの場”となります。
通信制高校の卒業は、全日制と同じ「高校卒業資格」を取得できるため、
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大学・短大・専門学校への進学
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国家資格の受験
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高卒求人への応募
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公務員試験の受験 など
選択肢が一気に広がります。
ただし、重要なのは「卒業=自動的に未来が開ける」わけではないということ。むしろ、卒業してからが本当の意味で“自分の意思で歩む”フェーズに入るとも言えます。
そのタイミングで、どういう環境が周囲にあるか、どれだけ本人が「次の目標」を持てるかが、その後の分かれ道となります。
■ よくある「その後」のケースと本人の変化
通信制高校を卒業したあとの進路は、実にさまざまです。
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大学や専門学校へ進学するケース
→ 通信制高校の中には「進学コース」や個別指導のサポートがある学校もあり、勉強の遅れを取り戻しながら進学できる環境が整っています。 -
アルバイトやフリーターとして社会経験を積むケース
→ 最初は就職に踏み切れずとも、徐々に“人と働く”経験を通じて自己肯定感を取り戻していく例も多くあります。 -
自宅で模索期間を過ごすケース
→ 一見すると“引きこもり”に戻ったように見えるかもしれませんが、少しずつ在宅で資格の勉強を始めたり、趣味を深めてそこから職業につながるケースも。
ここで大切なのは、周囲が焦らないこと。特に保護者は「早く進路を決めなきゃ」「このまま社会に出られなくなるのでは」と不安になりますが、それは子どもにも伝わってしまいます。
実際、「不登校経験者が立ち直るきっかけ」について同調査では、**もっとも多かったのが「母親の支え(56%)」**であることが分かっています。父親や友人なども続いており、「周囲の理解と見守り」が心の支えになっているのです。
通信制高校卒業後の選択肢|進学・就職・アルバイト・フリーター
通信制高校を無事に卒業できた後、「次はどうするか?」という問いは、本人にとっても保護者にとっても、避けては通れない問題です。
特に、不登校を経験した場合や、自分のペースで学んできた生徒にとっては、「一気に社会に出る」ことに対する不安が強く残ることもあります。
しかし、焦る必要はありません。通信制高校卒業後には、複数の柔軟な進路選択肢があります。
この章では、主な進路の種類とそれぞれのメリット・注意点について、詳しく解説していきます。
■ 大学・短大・専門学校への進学|「もう一度、学び直したい」気持ちを活かす
通信制高校の最大の魅力は、卒業すれば全日制高校と同じ「高卒資格」が得られる点です。
つまり、大学・短大・専門学校の受験資格はすべてクリアしており、進学ルートを選ぶことが可能です。
▷進学を選ぶメリット
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過去のブランクや不登校経験を乗り越えた自信になる
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自分の関心分野を深められる
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資格取得や就職の選択肢が広がる
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通信制高校出身者を対象にした推薦制度もあり、学力以外の努力も評価される
実際に、多くの通信制高校では進学サポート体制があり、大学受験対策講座や模試の実施、面接練習など、手厚いフォローを受けられる学校も増えています。
▷注意したいポイント
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勉強の遅れを取り戻すには計画的な準備が必要
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自主的な学習がベースになるので、自己管理がカギ
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学費・通学の負担も確認が必要(奨学金・学費支援制度を要チェック)
進学を目指す場合は、早めに「どんな分野に進みたいのか」「大学と専門学校どちらが合っているか」などを明確にしておくことが成功の第一歩です。
■ 就職・正社員を目指す|「早く社会で自立したい」なら現実的な選択肢
通信制高校を卒業後、すぐに就職を希望する人も少なくありません。
特に「大学に興味がない」「なるべく早くお金を稼ぎたい」と考える人にとって、高卒採用枠のある企業や未経験歓迎の正社員求人は有力な選択肢です。
▷メリット
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経済的な自立が早い
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実務経験が身につき、社会人としての基礎が築ける
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若いうちに職歴を積めば転職にも有利
厚生労働省では若年者支援施策の一環として「ハローワーク」の中に**「わかものハローワーク」**を設置し、正社員就職のサポートを行っています。
また、引きこもりやブランクがある人でも利用できる「地域若者サポートステーション(サポステ)」では、就労体験・職業訓練・カウンセリングなども提供されています[1]。
▷注意点
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職場の環境に適応する力が求められる
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学校よりも責任が重くなるため、最初は精神的な負担も
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ブラック企業や過酷労働にならないよう企業選びに注意
最初から「理想の仕事」に就けるとは限りませんが、就職してから進学を考え直す人もいるので、柔軟な姿勢でチャレンジすることが大切です。
■ アルバイトやフリーター|「準備期間」として社会との接点を作る
卒業後すぐに正社員として働くのではなく、アルバイトやフリーターとして“慣らし”を行うケースも非常に多く見られます。
とくに、社会不安が強かったり、ブランクがある人にとっては「少しずつ外に出る練習」としてアルバイトは最適です。
▷メリット
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自分のペースで働ける
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短時間勤務から徐々に社会復帰できる
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接客や事務など、幅広い職種を経験できる
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生活リズムが整い、次のステップへ進みやすくなる
フリーターとして働きながら、将来やりたいことを模索したり、資格取得のために勉強を始める人も少なくありません。
▷注意点
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フリーター期間が長くなると正社員就職に不利になることも
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経済的な不安定さが続く可能性がある
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保護者の扶養内で働く場合、年収調整などに注意が必要
「卒業後すぐに何か決めなければいけない」というプレッシャーを和らげるためにも、アルバイトという手段は**一時的な“安全基地”**として有効です。
■ 自分らしい道を選べる時代|正解は一つじゃない
今の時代、「通信制高校=不利」「正社員にならなきゃ」という時代ではありません。
YouTubeやSNSで活動するクリエイター、個人事業主、NPO立ち上げなど、多様な働き方・生き方が認められる時代です。
不登校や通信制高校を経験したことは、マイナスではなく「自分らしい道を探す力」を育ててくれたと考えることもできます。
引きこもりにならないために|卒業後の「空白期間」対策
通信制高校を無事卒業した後、「次に何をするか」がすぐに決まっていない人も多くいます。進学・就職の予定が未定、あるいは一旦は様子を見たいという場合――この卒業直後の「空白期間」は、心と生活のバランスを崩しやすいタイミングでもあります。
とくに、不登校経験がある人や、元々人との関わりが少ない傾向にある場合、この“空白”がそのまま引きこもり状態へと移行してしまうことも少なくありません。
では、どうすればこの空白期間を「安心な準備期間」に変えられるのでしょうか?
家族ができること、本人が意識したいこと、そして公的支援の使い方まで――具体的に解説していきます。
■ 空白期間が引きこもりにつながる理由とは?
引きこもりの直接的な原因は人それぞれですが、通信制高校卒業後すぐの時期は、以下のような不安や心の動きが引きこもりに繋がりやすいとされています。
▷主な要因
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「周囲が次の進路を決めていく中で、自分だけ何もしていない」という焦り
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学校という“社会とのつながり”が途切れることによる喪失感
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家族や他人からの「これからどうするの?」という無言のプレッシャー
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昼夜逆転や生活リズムの乱れが再発しやすい
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働いたり通学することへの不安・恐怖心
中でも、「何もしない=ダメな自分」という自己否定感が強まると、心のブレーキがかかり、行動に移れなくなる悪循環に陥りやすくなります。
■ 家族ができる「3つの見守り方」
卒業後の数ヶ月間を引きこもりにしないためには、周囲――とくに保護者の対応がとても重要です。以下の3つの対応を意識するだけでも、本人の心理的安全が大きく変わってきます。
①「次を急がない」空白の許容
進学・就職が決まっていないことを責めたり焦らせたりせず、「今は少し休んで考える時期」と認めることが大切です。
“何もしていない時間”=準備期間と捉えなおすことが、本人のプレッシャーを和らげます。
② 毎日の中で「役割」を持たせる
例えば、家事の一部(料理、掃除、買い物)を任せたり、ペットの世話をお願いするなど、家庭内で小さな責任を持たせることで、「誰かの役に立っている」という感覚が芽生えます。これは自尊心の回復に大きく貢献します。
③「予定のない外出」をつくる
外出といっても、ハローワークや面接に行くようなプレッシャーのある場所ではなく、近所の図書館、公園、コンビニなど、目的を問わない外出が効果的です。
週に1回、15分でも外に出る習慣がつくと、生活リズムの改善や社会とのつながりを維持しやすくなります。
■ 自分を責めない|「一時的な停止」は悪いことじゃない
不登校や通信制高校を経験した本人の多くが、「自分はみんなと違う」「普通の人生じゃない」という思い込みに苦しんでいます。
でも、たとえ卒業後すぐに進路が決まらなくても、それは“社会的な脱落”ではありません。むしろ、いまの時代は「一度立ち止まって、自分のペースで選択する」ことが当たり前になってきています。
自己否定を抱えてしまう人には、以下のような言葉をかけてあげてください。
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「焦らなくていいよ。今はエネルギーをためる時だよ」
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「何もしない時間も、必要な時間なんだよ」
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「やってみたいことが出てきたら、いつでも応援するよ」
これらの声かけが、心を閉ざさずに“次のステップ”へ踏み出すきっかけになります。
■ 引きこもり対策に使える支援制度・相談先
家族だけで支えきれないと感じたら、早めに外部の支援を活用することも重要です。特に、厚生労働省が全国で展開している次のような公的支援は、費用がかからず信頼性も高いため安心です。
▷ 地域若者サポートステーション(通称:サポステ)
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対象年齢:15〜49歳(引きこもり傾向にある人も含む)
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内容:キャリア相談、就労体験、心理カウンセリング、保護者向けセミナーなど
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URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html
▷ 自立支援相談窓口(自治体運営)
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生活保護一歩手前の支援(就労準備、住居確保など)
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精神的な問題を抱えている場合でも、相談可能
▷ 不登校・引きこもり経験者向けのNPO団体
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ピアサポーター制度(当事者による支援)
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フリースクール・居場所支援などの運営
支援を受けることに抵抗がある人も多いですが、支援=特別な人のためのものではなく、誰でも利用していいものだという意識づけが重要です。
不登校を経験したことで得られる“成長”とは?
「高校を卒業できたのは良かったけれど、不登校の過去ってやっぱりマイナスなのでは?」
「通信制高校に通っていたことが将来の足かせにならないだろうか…」
保護者や本人が感じがちなこうした不安は、とても自然なものです。
けれど実際には、不登校や通信制高校での経験が「成長の土台」になっているケースが多く見られます。
文部科学省の調査でも、不登校を経験した若者の多くが「人間的な成長」を実感しているという結果が出ており、社会的にも再評価されつつあります[1]。
この章では、「不登校は決して“後退”ではない」こと、そしてむしろそこから得られる“人としての成熟”について、データと実例をもとに考察していきます。
■ 不登校経験者の声:「あの時間があったから、今の自分がある」
多くの人が語るのは、不登校という経験を通して「社会の当たり前」を疑い、「本当に大切なこと」に気づけたという体験です。
通信制高校に通うある生徒の言葉:
「学校に行けなかった自分を責めていたけど、今では無理に人に合わせなくていいと思えるようになった。自分のことを少しずつ受け入れられるようになった気がします。」
このように、不登校という“止まった時間”の中で、自分自身と深く向き合ったことで、
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他人に優しくなれた
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小さなことに感謝できるようになった
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無理しないことの大切さがわかった
など、人間的な視点での成長を語る声が目立ちます。
■ 文科省の追跡調査でも「成長」が明らかに
文部科学省が行った「不登校に関する実態調査(2014年)」では、中3で不登校だった生徒の5年後の姿がまとめられています。
回答者が「不登校を経て成長した」と感じている項目は以下の通りです。
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「人の痛みが分かるようになった・人に優しくなれた」:48%
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「自分で収入を得ようと努力するようになった」:47%
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「自分なりに将来を考えるようになった」:43%
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「親の気持ちを考えられるようになった」:35%
このように、社会性や自立への意識が高まっていることが見て取れます[1]。
逆に、心理的な落ち着きに関する成長(「かっとなったりしなくなった」19%など)は低めであることから、心の安定には継続的な支援が必要であることもわかっています。
■ 成長の背景には「環境の変化」と「見守る大人の存在」がある
このような成長は、本人だけの力ではありません。
文科省の同調査では、「成長を支えてくれた存在」として、最も多く挙げられたのが以下の3つです。
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母親:56%
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先輩・友人:44%
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父親:28%
特に母親の存在が大きく、安心できる家庭環境や肯定的な声かけが、不登校経験者にとっての「心の土台」になっていることがうかがえます。
通信制高校のように、個別に寄り添う教育環境に移ったことで、自分のペースを取り戻したり、先生との信頼関係の中で少しずつ自己表現を再開できたという人も多数います。
■ 不登校・通信制を経た人に多い「こんな強み」
通信制高校や不登校を経て育まれる“強み”には、次のようなものがあります。
▷ 自分でスケジュールを管理する力
レポート提出や単位取得に必要な学習は、基本的に自主的に進める必要があります。毎日、先生の指示に従って動く全日制とは異なり、**「自分を律する力」**が磨かれるのです。
▷ 他人と比較しないマイペースな視点
不登校時代に「人と比べて苦しかった」経験がある分、社会復帰したときに、他人に流されず自分軸を大事にできる人が多いのも特徴です。
▷ 弱者への共感力と支援の意識
自分自身がつらい思いをした経験があるからこそ、「誰かを助けたい」という想いに変わり、福祉・教育・医療など人を支える職業に進む人も多いです。
■ 実際の進路・就職でも“共感力”は武器になる
社会で求められる力は、学歴や偏差値だけではありません。
企業の採用担当者や専門学校の面接官は、「どんな経験をして、それをどう乗り越えたか」「人との関係をどう築けるか」といった点を重視しています。
不登校や通信制高校の経験は、「困難を乗り越えた力」として伝え方次第で大きな強みに変えることができるのです。
また、履歴書や面接でも正直に「過去のつまずき」や「そこから何を学んだか」を語る人のほうが、印象に残るというケースも少なくありません。
親にできることは“未来を焦らず信じること”
通信制高校を卒業し、次の進路をどうするか決めかねているわが子――
「このままで大丈夫なのか」「ずっと引きこもってしまうのでは?」と、不安を感じてしまう親御さんも少なくありません。
けれど、子ども自身が一番不安を抱えているという事実に、私たちは立ち返る必要があります。
親としてできることは、「アドバイスをして引っ張ること」よりも、**“未来を焦らず信じて見守ること”**なのです。
この章では、不登校や通信制高校を経た若者を支える上での親の関わり方について、実際の声や専門家の見解をもとに深掘りしていきます。
■ 親の不安は「子どものプレッシャー」になることも
通信制高校を卒業したあと、すぐに進学や就職に踏み出せる子もいれば、しばらく家で過ごす子もいます。そんなとき、多くの親が「何かさせなきゃ」「早く社会に出さなきゃ」と焦ってしまいます。
しかしその焦りは、言葉にせずとも態度や雰囲気で子どもに伝わり、「期待に応えられない自分はダメだ」と自信を失わせてしまうことがあるのです。
子どもは思春期・青年期を通して、親の目線をとても敏感に感じ取ります。
言葉に出さなくても、「がっかりされた」「無言の圧を感じた」と思ってしまうことが多いのです。
■ 「信じること」は、何もしないことではない
子どもを“信じる”というのは、単に放置することではありません。
ここで言う信じるとは、
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子どもの成長のペースを認めてあげること
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進路が決まっていなくても否定しないこと
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子どもが話したい時に話せる空気をつくること
つまり、「何かをしなさい」ではなく、「あなたのままで大丈夫」と伝える関わり方のことです。
子どもは、自分を否定しない安心できる大人の存在があることで、少しずつ“行動”を起こす準備が整っていきます。
■ 実際に支えになった存在は「母親」が最多(文科省調査)
文部科学省が実施した「不登校に関する実態調査(2014年)」によると、
不登校経験者が「成長を支えてくれた」と答えた存在は、
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母親:56%
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先輩・友人:44%
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父親:28%
となっており、やはり家庭、とりわけ母親の存在が大きな支えになっていることが明らかになっています[1]。
大きなことをしなくても良いのです。
毎日、笑顔で「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかけるだけで、子どもの心は少しずつ回復していきます。
■ 焦った時に思い出したい“3つの言葉”
親としてどうしても不安になったり、イライラしてしまうこともあるでしょう。
そんな時に、ぜひ思い出してほしい言葉があります。
①「今は種をまいている時期」
子どもが何もしていないように見えても、それは心の中で芽を育てている時間かもしれません。土の中にある間は見えませんが、ちゃんと根を張っているのです。
②「親が先に安心する」
親が不安なままだと、子どもも落ち着きません。まずは親が「この子は大丈夫」と思えるようになること。親の安心が、子どもにとっての“心の安全基地”になります。
③「比較しない」
他の家庭の子と比べたり、兄弟と比べたりすることは、子どもにとって非常にプレッシャーになります。「この子だけの人生」と考えるようにしてみましょう。
■ 困ったときは「親の相談先」もある
子どものことで悩みすぎて、親自身が心身ともに疲れてしまうこともあります。
そんなときは、親が相談できる場所を使ってください。
▷ 地域若者サポートステーション(保護者相談も可能)
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家族向けセミナー・カウンセリングあり
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子どもとの関わり方や就労支援の情報も提供
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全国対応:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html
▷ 不登校・引きこもり相談ダイヤル(NPO・教育支援団体など)
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親向けに無料相談を行う団体も多数あり
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地域のフリースクール連盟や民間支援機関を活用するのも有効
子どもを支えるには、まず親が「支えられる側」になっても良いのです。
■ まとめ:親が信じてくれた、それが「子どもが動き出す力」になる
通信制高校を卒業しても、すぐに社会に飛び出していける子は多くありません。
むしろ、不安のなかで立ち止まるのが“普通”です。
そのとき、親にできる最大のサポートは、「何かをさせること」ではなく、“そのままのわが子”を受け止めてあげること。
親が「信じてくれていた」という感覚は、後になって子どもにとって大きな自信になります。
今すぐには結果が見えなくても、「あのとき、焦らず見守ってくれてありがとう」と思える日がきっと来るはずです。
通信制高校だからこそ可能な夢や目標をもって学習できる環境を探してみてください。
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