不登校の中学生が高校受験に臨むとき、気になるのが「内申点」「欠席日数」「高校の種類」ではないでしょうか?
結論から言うと、不登校でも高校進学は十分可能です。この記事では、文部科学省の指針や各都道府県の制度をもとに、不登校でも高校進学を目指すための考え方や進路の選び方を詳しく解説します。
不登校でも高校受験できる?出席日数と内申点の基本を知ろう
「中学生の子どもが不登校になってしまった。このままでは高校受験に影響が出るのでは?」
そんな不安を抱える保護者の方は少なくありません。実際に「不登校=高校に行けない」と誤解されがちですが、正しい情報と対策を知っておくことで、不登校からでも高校進学は十分に可能です。
この記事では、不登校の中学生が高校受験を目指す上で避けて通れない「出席日数」や「内申点(調査書)」について、文部科学省の方針や地域ごとの実例を交えて詳しく解説します。
内申点(調査書)とは?高校受験での役割
高校受験における「内申点」とは、中学校の先生が作成する**調査書(調査報告書)**に記載される成績情報のことを指します。
調査書には、以下のような情報が含まれます。
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各教科の成績(5段階評価)
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出席日数
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特別活動の参加状況
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表彰歴・資格(英検・漢検など)
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学校生活の態度や人間関係
この調査書は、高校受験の際に合否判定の一部として使われる場合があり、公立高校では多くの学校が調査書の提出を求めています。
例えば、東京都立高校では「学力検査:調査書」の配点比率を7:3または6:4に設定しているケースが多く、調査書の点数が合否に30〜40%影響することもあるのです(参考:東京都教育委員会「調査書点の点数化について」※PDF)。
ただし、全ての高校で内申点が重要視されるわけではありません。私立高校や通信制高校の中には、調査書を提出しない学校や、学力試験だけで合否を判断する「オープン入試」形式の学校もあります。よって、内申点が低くてもチャンスは十分あるのです。
不登校が内申点に与える影響とは?
不登校になると、どうしても「授業への出席」や「定期テストの受験」が難しくなり、それが内申点の低下に繋がることがあります。
以下は、不登校が内申点に与える主な影響です。
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出席日数が減ることで、評価対象外になる
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授業態度の欄が「不明」または「評価不能」とされる
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提出物の未提出が成績に反映されない
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定期テスト未受験で教科評価がつけられない
このような状態が続くと、調査書の評価項目が埋まらない、もしくは記載が不利に働く可能性があります。
ただし、これも絶望的ではありません。現在は「不登校」自体が特別な事情として理解されつつあり、その事情を申告する「自己申告書」や「特記事項欄」などを設ける自治体も増えています。
欠席日数はどのくらいで「不利」になる?
実は、高校ごとに「審議対象となる欠席日数の基準」が定められている場合があります。
例えば、ある都立高校では「中学3年間で90日以上の欠席がある生徒は審議の対象」としています。これは「合格不可」ではなく、「特別な事情を加味して合否を検討する」という意味です。
審議の結果、以下のような理由が適切に伝われば合格するケースも少なくありません。
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病気やケガなどのやむを得ない事情
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保健室登校やフリースクール等での学習の継続
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家庭学習の実績(レポートや検定資格など)
また、文部科学省は2019年に**「ICT等を活用した自宅学習を出席扱いにできる」とする通知**を発出し、一定の条件を満たせばオンライン学習も「出席」と認められる可能性があります[文科省通知PDF]。
調査書が不要な高校や制度も選択肢に
調査書に不安がある場合は、あえて調査書を重視しない高校を選ぶという戦略も有効です。
たとえば以下のような高校があります。
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【私立高校】:オープン入試(学力試験のみで選考)
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【通信制高校】:面接・作文などで総合的に評価
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【チャレンジスクール(都立)】:内申点を使わず志望動機を重視
こうした高校では、「これまでの出席状況」よりも、「これからどう頑張りたいか」が評価されます。調査書に頼らず合格を目指すこともできるのです。
不登校の中学生におすすめの高校4タイプとは?
「学校に通えていないけれど、高校には進学したい」
このような思いを抱える不登校の中学生は、年々増えています。文部科学省のデータでも、中学生の不登校生徒数は20万人を超えており、その多くが進学を希望しています[文部科学省:令和5年度 不登校調査]。
不登校でも進学をあきらめる必要はありません。むしろ、今は不登校の状態に配慮した制度や学校が多様化している時代です。
ここでは、不登校の中学生に向いている高校の種類を4つ紹介し、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。
①全日制高校:普通の高校でも不登校から進学できる!
まず最初に「普通の高校」としてイメージされるのが、全日制高校です。朝から夕方まで登校し、毎日クラスメイトと共に授業を受けるスタイルです。
不登校でも全日制高校に進学可能な理由
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私立高校では内申点よりも当日の学力試験重視の学校も多い
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「オープン入試(内申書を使わない選抜方式)」を採用している高校もある
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不登校経験への理解がある全日制高校も増えている
例えば、東京都ではチャレンジスクール以外にも「受験者の事情を加味する」制度(自己申告書の提出)があり、不登校経験がマイナスに直結するとは限りません。
向いている人の特徴
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将来、大学進学を目指している
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規則正しい生活にチャレンジしたい
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友人との交流や学校行事にも参加したい
ただし、毎日の通学が難しい場合や体力・精神面に不安がある人は、次の選択肢も検討しましょう。
②通信制高校:通学が難しくても在宅で学べる柔軟な選択肢
不登校からの進学先として、近年もっとも注目されているのが通信制高校です。
通信制高校は「在宅学習」が基本で、年数回のスクーリング(通学日)以外は、主に自宅で学習を進めます。
通信制高校の特徴
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学校から郵送またはオンラインで届く教材で勉強を進める
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通学は月1回〜年数回(学校によって異なる)
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単位制のため、自分のペースで卒業を目指せる
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入試は面接や書類審査のみ。学力テストがない学校が多い
文部科学省も、通信制高校での学習を含めた「多様な学びの支援」を重要政策として打ち出しており[文科省:教育振興基本計画]、その信頼性と重要性は年々高まっています。
向いている人の特徴
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朝が苦手/起立性調節障害など体調の波がある
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自宅での学習に慣れている
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自分のペースで高校生活を送りたい
ただし、自己管理が求められるため、学習支援がある学校や塾を併用するのがおすすめです。
③定時制高校:夜間や昼間コースで柔軟に通える高校
定時制高校は、昼間や夕方以降の時間帯に通える学校です。全日制よりも登校時間が短く、少人数制での授業が特徴です。
定時制高校の特徴
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昼・夕方・夜間など時間帯が選べる(学校により異なる)
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授業は1日3~4時間程度
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一部の高校では4年間で卒業、最近は3年で卒業できるコースも増加
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働きながら通う生徒や、再チャレンジを目指す生徒が多い
学力面でのハードルは比較的低く、不登校や中退などの多様な背景を持つ生徒を受け入れる環境が整っています。教員のサポートも手厚く、安心して通いやすいと感じる生徒が多いのも特徴です。
向いている人の特徴
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規則正しい生活に徐々に慣れたい
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少人数での授業が合っている
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対面での学びも大切にしたい
④チャレンジスクール・エンパワーメントスクールなどの特別枠高校
東京都の「チャレンジスクール」や、大阪の「エンパワーメントスクール」、神奈川県の「クリエイティブスクール」は、不登校経験のある生徒を前提に設計された公立高校です。
チャレンジスクール(東京都)の例
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内申点や欠席日数を評価しない
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面接・作文・志願申告書による選抜
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午前・午後・夜間から学習時間を選べる
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学費は公立校と同じで、経済的負担も少ない
特に東京都では「自己申告書(様式13)」により、不登校や家庭の事情などを事前に伝えたうえで入試を受けることができます[東京都教育委員会PDF]。
向いている人の特徴
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不登校経験に理解ある環境で再スタートしたい
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少人数クラスでじっくり学びたい
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生活リズムや体調に合わせて通学時間を選びたい
※注意:これらの学校は都道府県が限定されるため、通学圏かどうかを確認しましょう。
高校の種類を知って、不登校でも進学をあきらめないで
不登校の中学生が進学を考えるとき、全日制高校だけが選択肢ではありません。今ではさまざまな制度・高校が存在し、その子の個性や体調、生活リズムに合わせた選び方ができる時代になっています。
高校タイプ | 通学頻度 | 学費 | 難易度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
全日制高校 | 毎日 | 公立は安い | 普通〜やや高 | 生活リズムの立て直しに最適 |
通信制高校 | 月数回 | 幅広い | 低め | 在宅中心。自分のペースで学べる |
定時制高校 | 平日夜など | 安い | 低め | 働きながら/ゆったり学べる |
特別枠公立高校 | 柔軟 | 安い | 中〜低 | 不登校生を前提とした制度設計 |
受験に不利?不登校と欠席日数の本当の関係とは
「うちの子は欠席日数が多いけど、これって高校受験でやっぱり不利になるの?」
不登校の中学生を持つ保護者にとって、欠席日数は大きな心配の一つでしょう。しかし実際には、欠席が多い=受験不合格とは限りません。高校側もその背景を重視しており、自治体によっては「欠席理由を説明する機会」も用意されています。
この章では、「欠席日数がどのように評価されるのか」「不登校でも進学できる可能性」「配慮がある制度」などを、具体例とともにわかりやすく解説します。
欠席日数が多いと、本当に受験で不利になるのか?
まず理解しておきたいのは、「欠席日数が合否に影響するかどうかは、高校の種類・選抜方法によって異なる」という点です。
公立高校の場合
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多くの都道府県では「欠席○日以上は審議の対象とする」としています。
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例:東京都では「欠席90日以上で審議対象」、神奈川県では「資料の整わない者」として個別選考。
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審議対象になると、中学校の先生が調査書に「特記事項」として事情を記載したり、生徒・保護者が「自己申告書」を提出して事情を説明できます。
つまり、欠席が多いからといって**即不合格になるわけではなく、「理由次第で合否に影響しない可能性もある」**のです。
私立高校の場合
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欠席日数をあまり重視しない傾向があります。
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調査書提出なし、あるいは参考程度に扱う高校も存在。
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学力試験・面接・作文などが重視され、「本人の意欲」が合否に直結しやすいのが特徴です。
欠席の理由に「配慮」してもらえる制度とは?
不登校によって欠席が多い場合、以下のような制度や仕組みによって、事情を伝え、配慮を受けることができます。
① 自己申告書制度(公立高校の一部で導入)
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欠席の理由や、通学に対する意欲、これまでの努力などを文書にまとめて提出。
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提出先は志望高校の校長。調査書と一緒に出願時に提出されます。
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東京都・神奈川県・愛知県などで採用。制度名は地域により異なります。
>【例:東京都】
都立高校では、「自己申告書(様式13)」を提出することで、欠席理由や生活の背景を伝えることが可能です。審査にあたって考慮されることが明示されています。
参考:東京都教育委員会『都立高等学校入学者選抜 実施要綱』[PDFリンク]
② 特記事項による配慮(中学校の担任が記入)
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調査書の「所見欄」や「備考欄」に、不登校の理由や現在の学習状況などを記載。
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家庭での学習、フリースクール・保健室登校の様子なども含めて書かれることがあります。
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書くかどうかは学校の判断。事前に担任に相談しておくのがベストです。
どのくらいの欠席日数で「審議対象」になる?
都道府県や高校によって異なりますが、参考として以下のような目安が公表されています。
都道府県 | 審議対象となる欠席日数(目安) | 補足対応 |
---|---|---|
東京都 | 約90日以上(3年間で) | 自己申告書で事情説明可能 |
愛知県 | 年間30日以上(2・3年) | 自己申告書Aまたは別選抜対応 |
神奈川県 | 長期欠席者に「資料の整わない者」対応 | 希望取扱いで選考 |
重要なのは、**ただの数字ではなく、その背景にある「理由」と「将来への意欲」**が問われているということです。
欠席をカバーできる「出席扱い」の方法もある
実は、不登校状態でも条件を満たせば出席としてカウントされるケースがあります。
代表的な方法
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保健室登校/別室登校:教室ではなく保健室や空き教室に登校。
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フリースクール通学:中学校校長の判断で出席扱いとなる。
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適応指導教室(教育支援センター):地域の公的施設。出席扱いになることがある。
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ICTを活用した家庭学習:条件を満たせば出席と認められる(文科省通達あり)。
文部科学省通達(2019年)によれば、家庭でICT等を活用して学習した場合でも、一定の条件を満たせば「出席扱い」にすることが可能です。
[文科省資料PDF]
欠席が多くても合格したケースは多数ある
実際、不登校から高校進学を果たした生徒は多数います。たとえば、
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中1〜中2まで不登校 → 中3でフリースクールに通い始めた → 面接で意欲を伝えて私立高校に合格
-
起立性調節障害で登校できず → 通信制高校を受験 → 面接と作文で合格
-
欠席が年間100日超え → 自己申告書で理由説明 → 都立チャレンジスクールに合格
重要なのは、「これからどうしたいか」を高校側に伝えること。現在の状況を正直に伝えることで、信頼につながり、合格への可能性が広がります。
不登校からの高校受験で役立つ「高校選びのコツ」
「高校には行きたい。でも、どんな高校を選べばいいかわからない」
不登校の中学生や保護者の方が、高校受験で最初にぶつかる壁の一つが**「高校選び」**です。
全日制・通信制・定時制・チャレンジスクールなど、選択肢は多様化していますが、それだけに**「どう選べば失敗しないか」が見えづらくなっている**のも事実です。
ここでは、不登校からの高校受験において、「高校選びの判断軸」や「親子でできる情報収集の方法」「相談すべき相手」など、実際に役立つ具体的なコツを4つに分けてご紹介します。
コツ①:不登校の指導実績がある家庭教師や塾に相談する
まず最初のポイントは、不登校専門の学習支援機関を頼ることです。中学校の先生も大切な存在ですが、進路選択においては、より多くの事例に触れている塾や家庭教師の方が柔軟な提案をしてくれることがあります。
相談先の例
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不登校専門の家庭教師
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通信制高校提携のサポート校
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不登校専門塾、フリースクール併設塾
これらの支援者は、**「同じような状況の生徒がどのような選択をして、どう進学していったか」**を具体的に知っています。そのため、「一般論」ではなく、「あなたの子にとって最適な進路」を提案できるのです。
検索キーワードの例:「不登校 高校受験 家庭教師+地域名」「不登校 塾 進路 相談」
コツ②:気になる高校の見学会・説明会に積極的に参加する
どんなに評判が良くても、実際に行ってみなければわからないことがたくさんあります。そのため、可能であれば、親子で高校の見学会や説明会に参加するのがおすすめです。
見学でチェックすべきポイント
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校舎や施設の雰囲気(人の多さ、静けさなど)
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先生や生徒の対応
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制服の有無や校則の内容
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通学のしやすさ(距離・交通手段)
また、不登校経験があることを事前に伝えておくと、入試時の配慮や在学中の支援体制について詳しく説明してもらえることもあります。
説明会の参加が難しい場合でも、学校案内パンフレットや公式Webサイトの動画・Q&Aコーナーをしっかりチェックしましょう。
コツ③:不登校の保護者会・支援団体で情報を集める
全国には、不登校の子どもを持つ保護者が集う「親の会」や「サポート団体」が多数存在します。こういった団体では、体験談ベースの貴重な情報が得られます。
親の会とは?
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保護者同士が情報交換や共感を目的に集まるコミュニティ
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地域別・オンライン型など様々な形態あり
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専門家による進路相談会やセミナーを開催している場合も
たとえば、「うちの子はこの高校に進学したよ」「チャレンジスクールって実際どう?」といったリアルな声が聞けるのは、インターネット検索以上の価値があります。
また、民間の不登校支援団体(例:東京シューレ、NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク)でも、進学支援の相談に乗ってくれる場合があります。
コツ④:学校の先生にも協力を依頼する
担任の先生や進路指導の先生は、調査書の作成者であり、進学先との橋渡し役でもある重要な存在です。
不登校であっても、「先生に相談するのが気まずい」と思わずに、まずは保護者から声をかけてみましょう。
先生に聞くべきこと
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調査書の記載内容(内申点、欠席理由の特記事項の有無)
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自治体が実施する「不登校枠」や「自己申告書制度」の詳細
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地域で受験可能な高校一覧(公立・私立・通信制など)
また、中学校の進路希望調査票や出願に必要な書類などは、提出期限が早いことが多いため、早めに相談することが大切です。
志望校選びで迷ったときの判断軸5つ
どうしても複数の高校で迷ったときは、以下の5つの視点で比べてみましょう。
判断軸 | 具体例 |
---|---|
① 学習スタイル | 自宅中心/対面授業/少人数/集団 |
② 通学のしやすさ | 通学距離・時間・交通手段 |
③ 自分の体調・リズムに合うか | 朝型・夜型/週の登校頻度 |
④ 進学や就職サポートの充実度 | 大学進学率/就職先の実績 |
⑤ 学費・制度 | 授業料・支援制度・奨学金の有無 |
とくに体調が不安定な生徒の場合は、「通学のしやすさ」や「登校スタイル」が決め手になることが多いです。
【タイプ別】不登校からの高校受験で役立つ「高校の選び方」
不登校の中学生が高校受験を考えるとき、最も重要なのは**「その子に合った高校を選ぶ」こと**です。
一口に「不登校」といっても、きっかけや現在の状況は一人ひとり異なります。
この記事では、不登校の状態を「5つのタイプ」に分類し、それぞれに適した高校の選び方と受験対策のポイントを紹介します。
「うちの子のケースに近いのはどれ?」という視点で読み進めてください。
タイプ①:中学1〜2年から不登校で、3年から高校受験を目指す場合
このタイプは、早い段階から学校に行けなくなったけれど、高校には行きたいという意欲が出てきたケースです。
高校選びのポイント
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調査書の評価方法を確認する(3年のみ評価する学校が狙い目)
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内申点が低くても合格できる私立高校・通信制高校を視野に入れる
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中学3年からフリースクールや別室登校を利用して出席日数を増やす
受験対策
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3年生の間に少しでも出席や課題提出に取り組むことで、調査書の印象を改善できる
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学力面が不安な場合は、基礎から学べる家庭教師や不登校専門塾の活用がおすすめ
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資格取得(英検・漢検など)も内申の加点や調査書の評価につながる
このタイプでは、「今からでもできること」を一つずつ積み重ねることで、選択肢が大きく広がります。
タイプ②:現在中学3年生で不登校になっている場合
直前の学年で不登校になった場合は、精神的にも不安定になりやすい時期です。周囲が焦らずサポートしてあげることが重要です。
高校選びのポイント
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調査書を重視しない私立高校、通信制高校、定時制高校、チャレンジスクールを中心に検討
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調査書の評価対象が中3だけの高校なら、今からでも間に合う可能性あり
受験対策
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志望校の入試日程を早めに把握(私立は1月中旬、公立は2月)
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面接や作文がある場合は、「今の自分をどう伝えるか」をじっくり考えて準備
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体調や気分に波がある場合は、面接練習も本人のペースに合わせて行う
「今から高校なんて無理かも…」と思いがちな時期ですが、柔軟な入試方式の学校を選べば十分に間に合います。
タイプ③:小学校〜中学校まで継続的に不登校だった場合
長期間学校に行けなかった場合は、学力や生活リズムのズレが大きく、無理に全日制高校を目指すと失敗しやすい傾向があります。
高校選びのポイント
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自分のペースで学習できる通信制高校が第一候補
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サポート校(通信制高校と提携した塾)も検討対象に
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全日制にこだわらず、まずは卒業を目指せる環境を
受験対策
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面接では「今は通えていないが、通信なら続けられる」など、現実的な意欲をアピール
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学力試験がない学校も多いため、学習にブランクがあっても挑戦可能
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サポート校を通じて個別対応の入試サポートを受けるのも効果的
まずは「卒業できる高校」を見つけることが大切。その上で、学び直しや将来の選択肢を広げていくのが現実的な進路です。
タイプ④:集団生活や学校環境に不安がある場合(人間関係・HSPなど)
教室の雰囲気や友人関係が原因で不登校になったタイプでは、「また集団の中に入るのが怖い」と感じていることが多いです。
高校選びのポイント
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少人数制のクラスがある通信制・定時制高校
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学習の個別サポートが充実している私立高校
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不登校や発達障害への理解がある「多様性重視」の学校
受験対策
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自己申告書で「人間関係で困っていたが、高校では新しい環境で頑張りたい」と伝える
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保護者からも志望校へ「配慮してほしい内容」を伝えておくと良い
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面接時に無理に明るく振る舞おうとせず、等身大の自分を表現することが好印象
このタイプの生徒にとって、「人との距離感」や「自分の居場所」があるかどうかが、学校選びの重要な判断軸となります。
タイプ⑤:病気や障がいなど体調による不登校の場合
起立性調節障害・不安障害・発達障害など、身体的または心理的な理由で学校に通えない場合は、体調に合わせて学べる高校が適しています。
高校選びのポイント
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自宅での学習中心でも卒業できる通信制高校
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通学頻度を選べるフレックス型の高校
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医療的理解のある学校(保健室常駐・通院配慮など)
受験対策
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医師の診断書が必要な場合もあるので、事前に確認しておく
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面接では「症状が改善してきた」「このペースなら通える」と現実的に話す
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病気に関する配慮希望は出願時に明確に伝える(必要なら事前相談を)
体調と相談しながら、まずは「週1日登校」などから始められる高校を選ぶと、長く続けやすくなります。
まとめ:タイプに合わせた選び方で、高校受験の成功率が上がる!
不登校からの高校受験は、「どの高校に入るか」よりも「その高校で無理なく通い続けられるか」が重要です。
タイプ別に分けて考えることで、お子さんに最も合った進学ルートが見えてきます。
最後にチェックリスト
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自分の不登校のタイプはどれかを整理する
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調査書が重視されるかどうかを志望校ごとに確認する
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「通えるかどうか」を最優先に高校を選ぶ
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面接や出願時に、自分の状況や希望を正しく伝える準備をする
通信制高校だからこそ可能な夢や目標をもって学習できる環境を探してみてください。
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