不登校の子どもたちが、自分らしく学べる環境を求めて「留学」という選択肢を選ぶケースが増えています。この記事では、「不 登校 留学」のリアルを、小学生・中学生・高校生別にメリットやリスク、準備の方法まで徹底解説。厚生労働省や教育関連の信頼性の高い情報も交えながら、保護者やご本人が安心して新たな一歩を踏み出せるよう、具体的なステップをご紹介します。
不登校からの留学は本当に可能?年齢別に見る「留学適齢期」とその目的
不登校になったお子さんが「日本の学校ではない場所」で再び学びの意欲を取り戻す方法の一つに「海外留学」があります。ですが、保護者の方からすると「うちの子に本当に海外で生活できるの?」「年齢的に早すぎるのでは?」と不安を抱くのも当然のことです。
ここでは、「不 登校 留学」という選択が本当に可能なのか、小学生・中学生・高校生それぞれの年齢別に、適切なタイミングや目的、考慮すべき点について詳しく解説します。
■ 小学生(6~12歳)の不登校留学|親子での環境リセットがカギ
小学生での海外留学は、基本的に「親子留学」が前提になります。特に低学年(1〜4年生)では、子どもが自立して生活するには年齢的にも難しく、親の付き添いが不可欠です。
この年代の子どもは、言葉の吸収力が非常に高く、英語や現地語に対して柔軟に適応できます。逆に言えば、良い環境に出会えれば、言語的にも社会的にも大きく伸びる可能性を秘めている時期です。
目的の例:
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日本の学校で感じていたプレッシャーや対人不安をリセット
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自然な語学環境でのびのびと成長
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日本語対応スタッフがいる現地校での安心感のある学び直し
注意点:
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環境の変化に敏感な年齢のため、精神的な安定のためには親の同行が必要
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家族全体のライフスタイルを大きく変える可能性あり(仕事・住まいなど)
🔗 参考:文部科学省「小学生の海外留学に関する支援体制」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/05040901/003.htm
■ 中学生(13~15歳)の不登校留学|「自立の芽」を育てる絶好の機会
中学生になると、海外のボーディングスクール(寮制学校)やホームステイを伴う単独留学が現実的な選択肢になってきます。この時期は思春期による心の揺れも大きい反面、自分の価値観や自己認識を確立しはじめる大切な時期です。
日本の学校での人間関係や集団生活に疲弊していた子どもにとって、少人数制・個別対応型の教育がある海外の学校は「自分らしく学ぶ」再出発の場となり得ます。
目的の例:
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日本での学校生活から距離を置いて、自分のペースで学習
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新しい環境で友人関係をゼロから構築しなおす
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自立心や生活力を育てながら社会性を身につける
注意点:
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単独での生活に不安がある場合は、現地サポートやカウンセリング体制を重視
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義務教育期間中のため、帰国後の進学を意識したプランニングが必要
🔗 厚生労働省|不登校の子どもの支援に関する基本方針
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173321.html
■ 高校生(16~18歳)の不登校留学|進路とキャリアに直結する学び直し
高校生の不登校の場合、留学は「人生の選択肢を根本から広げるチャンス」にもなります。すでに自立心が育っている年齢でもあり、自らの意志で環境を変えたいという強い動機を持つ生徒も少なくありません。
また、海外の高校では「アート」「スポーツ」「IT」など、興味や得意分野に特化したカリキュラムが選べることも多く、日本の画一的な進路では実現しづらい「好きなことを極める」進学も可能です。
目的の例:
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帰国子女枠での日本の大学進学(早稲田・慶應・国際基督教大学など)
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海外大学・専門学校への進学
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不登校というラベルからの脱却と、将来への自信回復
注意点:
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留学中の成績や卒業資格が、帰国後の受験資格を満たすかどうか確認
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海外の高校卒業=日本の「高卒」ではない場合があるため、通信制高校との併用も視野に
🔗 JASSO(日本学生支援機構)|帰国子女入試の制度について
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/related/returnee/index.html
留学の「適齢期」は目的とサポート体制次第
年齢によって必要なサポートの内容は異なりますが、「不登校留学」が成功するかどうかは年齢よりも本人の気持ちと目的意識、周囲の理解と準備の有無が大きく関わってきます。
いずれの年齢でも大切なのは、子どもの意志を尊重し、「どんな学びを、どんな場所で得たいか」を一緒に考えることです。
もし現地の文化や学習スタイルに不安がある場合は、まずは短期留学や体験型プログラムを通して、少しずつ自信をつけていく方法もあります。
「学校に行けない」ではなく、「他の場所なら学べる」という事実を信じて、子どもが再び学びに向き合うきっかけとなるのが、不登校からの留学なのです。
不登校留学のメリットとは?環境が変わると何が変わるのか
不登校になったお子さんが、学校という場所を離れた結果、自己否定感や孤独感を抱えることは少なくありません。家庭内でのサポートにも限界を感じ、「このままでは進路が閉ざされるのでは?」と不安を募らせる保護者の方も多いでしょう。
そんな状況において、「留学」はただの学び直しではなく、環境ごと自分をリセットできる貴重な機会になります。この章では、実際にどのようなメリットが不登校からの留学で得られるのかを、教育的・心理的・進路的な視点から詳しく解説します。
1. 自己肯定感が高まる|「できない」から「やれるかも」へ
不登校の多くは、他者との比較や成績評価、対人関係のトラブルなどに起因する「自分はダメなんだ」という否定感から始まります。しかし、留学によって新しい環境へ身を置くことで、過去の自分から切り離され、新しい一歩を踏み出すチャンスが得られます。
海外では「転校」「中退」「ギャップイヤー」などを前向きにとらえる文化が根付いているため、日本ほど不登校に対する偏見は強くありません。
たとえば、ニュージーランドやカナダなどでは、学びの個別性が尊重される教育制度が整っており、苦手分野があっても「あなたはあなたのペースで進めばいい」という姿勢が主流です。
このような環境で「認められる経験」を積むことで、子どもたちの**自己肯定感や自己効力感(自分にもできるという感覚)**が着実に育っていきます。
2. 異文化理解が育つ|世界の広さを体感することで価値観が変わる
日本の学校文化は「集団」「一律」「協調」を重視する傾向があります。一方、海外では「違って当たり前」「多様性があるのが普通」という価値観のもとに教育が行われています。
そのため、子どもたちは自分の性格や考え方に無理にフタをせず、ありのままで過ごせる経験をしやすくなります。
また、現地の生徒や教師との関わりを通じて、
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宗教・民族の違い
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多様な家庭背景
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異なる考え方や学びのアプローチ
といった多文化共生の中で「自分だけのものさし」を育むことができます。
これは将来的に国際社会で活躍するうえでも大きな財産となる「グローバルマインド」の土台になります。
3. 語学力が自然に身につく|コミュニケーションが生きた学びに
不登校で家に引きこもりがちだった子どもが、海外生活で語学による自己表現の楽しさを知ることは大きな変化です。
最初は単語を並べるだけでも、現地で暮らす中で次第に「自分の言葉で伝える喜び」を実感できるようになります。こうした実践的な学びは、学校での座学とは異なり、生きたスキルとして定着しやすくなります。
特に、10代前半までの時期は言語の吸収力が非常に高いとされており、短期間でも驚くほどの語学力向上が期待できます。
🔗 日本学生支援機構(JASSO)|語学研修・高校生向け短期プログラム
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/
4. 自立心と生活力が育まれる|「自分でやってみる」が当たり前に
日本にいると、家庭や学校で手取り足取りサポートを受けていた子どもも、海外では自分のことを自分で管理することが求められます。
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朝起きて準備する
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時間通りに登校する
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寮やホームステイでのルールを守る
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英語で必要なことを伝える
など、小さな「やってみる」の積み重ねが、自信と自立心を育てます。
この経験は、不登校によって「人と関わるのが怖い」「行動が億劫」という状態になっていた子どもにとって、再び外の世界とつながるリハビリのような機能を果たしてくれます。
5. 新しい人間関係の中で「信頼される」体験ができる
日本の学校では友人関係やいじめに悩み、不登校になったお子さんも多いでしょう。しかし留学先では、出身や経歴にとらわれず「今の自分」を見てくれる人と出会うチャンスがあります。
特にホームステイ先や寮生活では、家族のように親身に接してくれる大人が身近にいます。また、少人数制の学校が多いため、教師との距離も近く「わからないことを気軽に聞ける」環境が整っています。
このような新しい人間関係は、子どもにとって「人を信じていい」「自分も信頼される存在でいい」という感覚を育てるきっかけになります。
6. キャリアの選択肢が広がる|海外大学・帰国子女枠の活用も
不登校になったことで、進学への不安を感じる家庭も多いですが、実は海外留学は進路を多様化する絶好のチャンスです。
現地の高校を卒業すれば、現地大学への進学が可能ですし、日本に戻っても「帰国子女入試」や「AO入試」など、特別な入試枠を活用して進学を目指せます。
また、海外留学中に経験するボランティアやインターン、クラブ活動なども、将来の志望動機や自己PRに活かすことができるでしょう。
環境を変えることで「学びの意味」が変わる
日本の学校に馴染めなかったからといって、子どもが学ぶ意欲を持っていないわけではありません。むしろ、合わない環境で無理をしていた結果、心や体が悲鳴を上げていたのです。
留学によって学ぶ環境が変われば、学びの「質」や「意味合い」そのものも大きく変わります。
不登校留学は、教育のやり直しではなく、「子ども自身のリスタートの機会」として、多くの可能性を切り開いてくれる選択肢なのです。
不登校留学のリスクと対策|よくあるトラブルとその回避法
海外留学は、不登校のお子さんにとって環境をリセットし、学びへの意欲を再び取り戻す大きなきっかけになり得ます。しかし一方で、**「合わなかったらどうしよう」「失敗したら逆効果では?」**という不安の声が多いのも事実です。
実際に、準備不足やサポートの欠如によって、せっかくの留学がストレスや挫折につながってしまうケースも少なくありません。本章では、不登校留学において起こりうる代表的なリスクと、その具体的な対策方法を丁寧に解説します。
リスク①:孤独感やホームシックによる精神的な不調
問題点:
不登校経験のあるお子さんは、人間関係に対する不安や「自分は人に受け入れられない」という思い込みを抱えていることがあります。そうした心の傷を抱えたまま、家族と離れて新しい土地に移ることで、孤独感や不安感が強まり、ホームシックや適応障害を引き起こすことがあるのです。
対策:
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留学前に「短期留学」や「体験プログラム」で段階的な慣らしを行う
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現地に日本人スタッフやカウンセラーが常駐している学校を選ぶ
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定期的に家族とオンラインで連絡を取れる環境を整える
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留学中も日本語で相談できる窓口がある留学エージェントを利用する
🔗 参考:厚生労働省「青少年のメンタルヘルス支援」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/
リスク②:言語の壁による挫折
問題点:
「英語が話せない」「授業についていけない」「友達ができない」といった言語面での不安が大きく、これがストレスとなって自信を喪失してしまうことがあります。
特に中高生では、現地の授業が難しく感じられ、学習面の遅れが自己否定感を強める原因になることも。
対策:
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渡航前にオンライン英会話やESL(第二言語としての英語)学習を始めておく
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ESLクラスのある学校、または日本人留学生の多い学校を選ぶ
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英語が不安な場合は英語圏以外(マレーシア・フィリピンなど)も視野に入れる
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入学時に英語レベルテストがある学校で、無理なくスタートできる環境を整える
リスク③:現地校の教育スタイルとのミスマッチ
問題点:
日本と海外では教育スタイルが大きく異なり、「主体性を重んじる教育」や「自己主張を求められる授業」に戸惑い、ストレスになることも。先生に質問しないと置いていかれたり、ディスカッション中心の授業に適応できないこともあります。
対策:
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教育スタイルやカリキュラムを事前に確認し、子どもに合った学校を選ぶ
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個別対応がある少人数制の学校、もしくはIB(国際バカロレア)など柔軟な学習制度を採用している学校を選ぶ
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日本の通信制高校と併用し、留学先での履修は副次的なものに留める選択肢もあり
リスク④:学歴・進路の不整合(日本の高校卒業資格が得られない)
問題点:
海外の高校を卒業しても、日本の大学進学に必要な「高卒資格」として認められない場合があります。また、帰国してから進路に困るケースも。
対策:
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通信制高校に在籍しながら海外で単位を取得することで、日本の高卒資格を維持する方法が有効
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帰国後の大学受験を希望する場合は、「帰国子女枠」や「AO入試」の情報を事前にリサーチしておく
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「高卒認定試験(旧大検)」の取得も選択肢として準備しておくと安心
🔗 文部科学省|高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
リスク⑤:カルチャーショックや価値観のギャップ
問題点:
異なる文化や宗教、食生活、人間関係の距離感に戸惑い、現地の生活に馴染めずストレスを感じることがあります。これは「自分が間違っているのでは」と自己否定に発展する場合も。
対策:
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渡航前に「その国の文化・価値観」について家族で共有し、シミュレーションをしておく
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日本人の在籍が多い学校や、異文化対応に実績のある学校を選ぶ
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帰国子女や留学経験者の体験談を事前に読んでおくことで心理的な備えができる
リスク⑥:費用面の負担が大きく、途中で留学を断念する
問題点:
留学には学費・寮費・渡航費・保険・生活費など、年間100〜300万円以上の費用が発生する場合があります。家庭の経済状況によっては、途中で断念せざるを得ない事態も。
対策:
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費用の総額を試算し、支援制度(JASSOの奨学金・地方自治体の補助金)を活用
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費用が比較的安価なフィリピン・マレーシア・ニュージーランドなどの国を選択肢に入れる
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日本の通信制高校と提携している「留学プログラム付きコース」など、セットで割安なプランを活用
🔗 日本学生支援機構(JASSO)奨学金情報
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/
リスク⑦:本人の意志が不十分なままの留学
問題点:
「親が勧めたから」「不登校をなんとかしたくて」など、子ども自身が納得していない状態で留学を開始すると、トラブルや失敗のリスクが一気に高まります。
対策:
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留学を提案する前に、「なぜ留学したいのか?」「今、何が苦しいのか?」を時間をかけて話し合う
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短期体験やオンライン説明会、体験談の共有など、本人の納得感を高める段階を設ける
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本人が「挑戦してみたい」と思えるプログラム・地域を一緒に選ぶ
「リスクの芽」は準備と情報で最小限にできる
不登校の留学は、メリットが大きい反面、準備不足での失敗も起こりがちです。しかし、リスクのほとんどは事前の調査と準備、そして信頼できる支援先の選定で軽減可能です。
最も重要なのは、「本人の意志」と「現地での安心材料」がセットであること。
不登校留学は、「やり直し」ではなく「別の道から、同じ未来へ進む」ための立派な手段のひとつです。後悔しない選択のために、リスクと真剣に向き合いながら、丁寧に準備を進めていきましょう。
不登校の子に合う留学先の選び方|エージェント選定とおすすめ国
不登校の子どもが海外留学という新しい環境に踏み出すとき、「どこの国に行くか」「どの学校を選ぶか」「どんなサポートが受けられるか」は、その経験の成否を大きく左右します。特に、海外留学が初めての場合は、教育方針・生活環境・言語サポートなど多方面にわたる検討が欠かせません。
ここでは、不登校のお子さんにとって最適な留学先を選ぶための視点と、信頼できるエージェントの見極め方、そしておすすめの留学先国について詳しくご紹介します。
■ 1. 学校選びのポイント|「自分のペース」で学べる環境か?
日本の学校でうまくいかなかった背景には、画一的な教育スタイルや集団行動が合わなかったというケースが多く見られます。そのため、留学先の学校には「柔軟性」「少人数制」「個別対応」が求められます。
◎見るべき具体的なチェックポイント:
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少人数制かどうか:1クラス15名以下の学校は、目が行き届きやすく安心感があります。
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個別の学習サポートがあるか:担任制・チューター制など、勉強や生活面をサポートしてくれる体制がある学校を。
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日本人スタッフの有無:完全英語環境よりも、日本語で話せるスタッフが常駐している環境の方が初期の不安は軽減されます。
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多様な背景の生徒を受け入れているか:中退経験者や不登校生徒などの実績がある学校は、理解と対応に慣れています。
また、「自然体験が多い」「アートや音楽に特化している」など、本人の興味や得意なことが活かせる学校を選ぶと、学びに対する前向きな気持ちが育ちやすくなります。
■ 2. 滞在スタイルの選択|ホームステイ or 寮?
不登校の子どもにとって、どこで誰と暮らすかは心理的負担の軽減に直結します。以下に主な滞在スタイルとその特徴を比較します。
滞在スタイル | 特徴 | 不登校生との相性 |
---|---|---|
ホームステイ | 家庭的な環境で安心感。文化交流もできる。 | 家族的なつながりを求めるタイプにおすすめ。 |
学生寮 | 同世代との交流が活発。規律ある生活が求められる。 | 自立心がある・刺激が好きな子に合う。 |
親子留学 | 小学生など年齢が低い場合に有効。 | 不安が強い子には安心感大。 |
中学生以上はホームステイや寮でも対応可能ですが、小学生の場合は**親子での滞在(親子留学)**が一般的です。滞在スタイルは本人の性格や自立度合いに応じて選びましょう。
■ 3. エージェント選びの重要性|「丸投げ」はNG
留学の手配や現地サポートを任せるエージェントは、慎重に選ぶ必要があります。特に、不登校生の留学では「精神面のケア」「学習のリカバリー」「進路の整理」といったサポートが重要になります。
◎信頼できるエージェントの選び方:
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不登校や発達特性のある子の支援実績がある
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現地スタッフが常駐し、生活・学習面の相談ができる
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無料相談や面談で、プログラムのメリット・リスクを明確に説明してくれる
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「入れて終わり」ではなく、定期的な進捗フォローや緊急時対応の体制がある
また、事前に保護者と子どもを対象にした体験会や説明会、カウンセリングを提供しているところを選ぶと安心です。
🔗 一般社団法人 留学協会|エージェントの信頼性チェック
https://www.ryugakukyokai.or.jp/
■ 4. 不登校生におすすめの留学先国ランキング【TOP3】
① ニュージーランド
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【特長】国全体が「教育の個別化」を重視。少人数教育・自然体験型が豊富。
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【言語】英語圏
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【メリット】治安が良く、日本人対応が可能な学校が多い。
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【適性】のんびりした環境で自信を取り戻したい子に。
② カナダ
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【特長】公立・私立ともに多様なバックグラウンドの生徒を受け入れる柔軟性あり。
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【言語】英語・フランス語(地域による)
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【メリット】寛容な国民性と、丁寧な語学サポート体制が魅力。
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【適性】人との関わりを徐々に取り戻したい子に。
③ フィリピン
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【特長】マンツーマンの英語授業が主流。費用も安く、短期体験に最適。
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【言語】英語・タガログ語
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【メリット】格安で留学が可能で、生活の不安が少ない。
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【適性】まずは留学を「体験したい」お子さんに。
🔗 日本学生支援機構(JASSO)|各国の教育制度と支援情報
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/
■ 5. 学校だけでなく「地域環境」も重視しよう
不登校の子どもにとっては、学校以上に「地域での安心感」が重要になることもあります。例えば、
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大都市 vs 地方都市(静かで自然の多い場所の方がストレスが少ない)
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現地日本人コミュニティの有無
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医療機関やメンタルヘルス支援の体制
なども含めて検討すべきです。特に長期滞在の場合は、病気や緊急時の対応がスムーズにできるよう、日本語対応可能な病院がある地域を選ぶのが安心です。
■ 留学先選びは「環境」と「支援体制」のバランスがカギ
不登校からの留学は、学歴や語学力だけを求めるものではありません。最も重要なのは、子どもが「安心して挑戦できる環境」に出会えるかどうかです。
「自分に合った学び方を見つける」「人との関わりを取り戻す」「少しずつ自信を持つ」——それぞれの目標に応じて、最適な国・学校・支援体制を選んでいきましょう。
まずは信頼できるエージェントに相談し、体験談や学校の様子を具体的に知るところから始めてみるのが第一歩です。
留学期間はどう決める?目的・成長・家庭状況に応じた判断基準
「不登校の子どもに海外留学を」と考えたとき、最も迷うポイントの一つが**「どれくらいの期間が最適か」**という問題です。
短期間でも意味があるのか?長期にすると負担が大きくなりすぎるのでは?帰国後の進路はどうなる?──こうした疑問を持つ保護者の方は多いはずです。
結論から言えば、留学期間に正解はありません。ただし、子どもの目的や性格、家庭の状況に応じた「最適な長さ」が確かに存在します。本章では、年齢・目的別に分けて、留学期間をどのように考えるべきかを詳しく解説します。
■ 留学の目的に応じて「長さ」が決まる
留学の効果は、期間が長いほど大きくなる……とは限りません。むしろ、目的が曖昧なまま長期留学を選ぶことのほうがリスクが大きいのです。まずは、留学で何を得たいのかを明確にしましょう。
留学の目的 | おすすめ期間 | 特徴 |
---|---|---|
海外生活の体験・リフレッシュ | 1週間〜3ヶ月(短期) | 不登校の回復初期に適し、環境変化の刺激が得られる。 |
語学学習+学校体験 | 3ヶ月〜1年(中期) | コミュニケーション力や学習意欲の回復に有効。 |
学歴取得・進路形成 | 1年以上(長期) | 現地高校卒業や大学進学を目指す本格派向け。 |
🔗 日本学生支援機構(JASSO)|海外留学の種類と期間
https://www.jasso.go.jp/ryugaku/
■ 年齢と発達段階ごとの「留学期間の目安」
子どもの年齢や精神的な成熟度に応じて、適した留学期間は変わります。
◎ 小学生(6~12歳):
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短期(1週間~1ヶ月)の親子留学が主流。
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長期の場合は親の同伴が必須。
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学びというより「海外生活に慣れる」ことを目的に。
◎ 中学生(13~15歳):
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中期留学(3ヶ月〜半年)が現実的。
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短期で成功体験を積み、その後長期に切り替えるケースも多い。
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寮生活にも慣れ始め、自立の芽が育ちやすい。
◎ 高校生(16~18歳):
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長期(1年以上)で進学や卒業資格取得を目指す留学が増加。
-
将来の進路に直結するため、帰国後の計画も同時に立てるべき。
■ 留学後の進路や日本の学校との関係も重要
「留学が終わったらどうするか」を考えることで、留学期間の判断がより現実的になります。
◎ 帰国して日本の学校に戻る予定の場合:
→ 在籍校の制度によっては、留学中に取得した単位が認定されることがあります。
特に通信制高校では、海外留学中の履修を30単位まで認める制度もあります。
🔗 文部科学省|通信制高校と海外留学の単位互換制度
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003.htm
◎ 現地高校の卒業を目指す場合:
→ 通常2~3年間が必要。現地のカリキュラムに完全に乗る必要があり、語学力・精神的な安定・家庭の覚悟が求められます。
◎ 日本の大学進学を目指す場合:
→ 高校に在籍しながら1年以内の短期〜中期留学を選び、帰国子女入試やAO入試の枠を活用するのが効果的です。
■ 家庭の経済的・生活的事情もリアルに考える
留学費用は期間に比例して増加します。一般的に必要とされる年間費用は以下の通りです。
留学期間 | おおよその費用 | 備考 |
---|---|---|
短期(1〜3ヶ月) | 30万〜80万円 | 航空券・保険料含むパッケージ利用が主流 |
中期(半年) | 80万〜150万円 | 学校・滞在費・生活費を含む |
長期(1年) | 150万〜300万円以上 | 寮・私立学校ではさらに上がる可能性あり |
可能であれば、**段階的に期間を延ばす方法(短期→中期→長期)**も現実的な戦略です。また、奨学金や補助金の活用も忘れずに検討しましょう。
🔗 留学ジャーナル|中高生の留学に使える奨学金情報まとめ
https://www.ryugaku.co.jp/ryugaku/scholarship/
■ 子ども本人の「気持ちと覚悟」も重要な指針
どれだけ優れた環境や制度が整っていても、子ども本人に「留学してみたい」「変わりたい」という思いがなければ、期間が長すぎればかえって逆効果になることもあります。
長期留学は「覚悟ある本人の決断」が前提です。最初は不安が強い子どもには、1週間〜1ヶ月の短期留学や国内での「山村留学」などから始め、少しずつステップアップしていくことも検討してください。
■ 迷ったら“お試し”から|期間は途中で延長も可能
最近では、短期〜中期の留学プログラムを提供する学校やエージェントが増えており、最初は短期間で渡航し、現地の様子を見てから延長する柔軟なスタイルも一般的になってきました。
また、「オンライン体験授業」や「バーチャルホームステイ体験」など、事前にイメージできるサービスを活用すれば、子ども自身の不安も大きく軽減されます。
留学は「時間の長さ」より「中身の濃さ」
不登校の子どもにとっての留学は、「何年間いたか」ではなく、どれだけ自分を取り戻せたか・前向きな経験ができたかが最も重要です。
そのため、無理に長期を目指す必要はありません。子どもと家庭にとって「今できること」「今行ける範囲」で最も効果的な期間を選びましょう。
短期で自信を取り戻したら、次は中期へ、そしてその先へ。柔軟に、段階的に、一歩ずつ進んでいける道があるのが不登校留学の魅力です。
通信制高校だからこそ可能な夢や目標をもって学習できる環境を探してみてください。
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